憂楽帳

文字サイズ変更

憂楽帳:韓国からの声援

 ソウル中心部の光化門(クァンファムン)で今月、東日本大震災の報道写真展(河北新報社など主催)が開かれた。これまで阪神大震災(95年)、中越地震(04年)、中国・四川大地震(08年)などの取材に加わったが、今は韓国に居て、ぼうぜんと映像を見ているしかない。

 起きている現実とどこか遊離した感覚があった。それでも100枚近いパネルの前では体が固まり、写真の中の人々の姿に涙があふれそうになった。

 隣国の惨状は、韓国人の心も揺さぶった。知人の韓国紙記者は「韓国がこれほど日本へ声援を送るとは」とうなった。「金嬉老事件」の故金嬉老(キムヒロ)元受刑者の支援などで知られる朴三中(パクサムチュン)和尚は最近、ある死刑囚から100万ウォン(約7万6000円)を託された。12年間、差し入れなどをためた一部。手紙には「自然を前に人間はあまりにも弱い。どうすれば被災者の痛みと悲しみを慰めることができるか」と、寄付への思いがつづられていた。

 朴和尚はこのお金を持って被災地を訪ね、仲間の僧侶と韓国式の大法要を営みたいと考えている。【西脇真一】

毎日新聞 2011年7月9日 東京夕刊

PR情報

スポンサーサイト検索

憂楽帳 アーカイブ

7月9日机上の一冊
防護服
韓国からの声援
八百長との戦い
7月8日コンビニ恐るべし
世界遺産・西湖
カレーの調理法
7月7日柔らかな笑顔
じてんしゃ
福島の子供対策
7月6日大女優
頑張ろう日本
地震後の景色
音のぜいたく
7月5日小倉っちゃ
時計
どこへ行けというのか
7月4日やっぱり大阪
振り子の国
写真に映る希望
7月2日新旧の迫力
東京の暗い夜
馬山の寺内文庫
今やるべきこと
7月1日壮大な実験
返還から14年
アロハシャツ
6月30日鞆の浦
関心を持つ
「つながる」再び
6月29日体技心
ジテツー
ナッシュビル
猛暑に未来を考える
6月28日フキの味
元気に出会う
更生を信じる
6月27日創業者の原点
幸福度
生き残るために
6月25日「風土活性家」
HOPE
テレビと携帯電話
一粒の光
6月24日ちちの匂い
不格好な野菜
きっと、できる
6月23日奥能登の地ビール
ナガサキ大学
前奏曲
6月22日折り鶴
マニュアル車の勧め
無常素描
けった
6月21日亘理病
一丁目の元気
療養所の保育園
6月20日抗酸化力
やりがい
パレスチナに吹く風
6月18日「たま卵?」
九州発宇宙へ
切手ブーム
ツバメに思う
6月17日奈良の宿
ボランティア
緑のカーテン
6月16日日本酒学講師
本気か
民衆の歌
6月15日メタボ解消
科学の力
映画パンフ
津波への備え
6月14日想像力
陶芸展
おやじ狩り
6月13日別れ方
夢の技術は
老医師の茶わん
6月11日さぬき大使館
復興
家族との時間
モラトリアム
6月10日ジェット音
農業体験再び
トラフグの湯
 

おすすめ情報

毎日jp共同企画