民主党は9日、全国幹事長会議を党本部で開いた。菅直人首相は退陣時期を巡る混乱などに関し「私自身の不十分さもあってご苦労いただいていることを十分承知している」と陳謝する一方、原発事故対応などに取り組む決意を改めて強調した。原発立地県の県連などからは、唐突に全原発のストレステスト(耐性試験)の実施を決めたことに批判が相次いだ。
会議は予定を30分超えて約3時間に及んだ。首相は冒頭のあいさつを終えると約10分で退席した。岡田克也幹事長は、11年度第3次補正予算案について「新しい体制で行う。幹事長会議も現執行部では今回が最後だ」と述べ、執行部として首相に早期退陣を求めていく考えを強調し、理解を求めた。
ストレステストをめぐっては、停止中の九州電力玄海原発を抱える佐賀県連が「海江田万里経済産業相が玄海原発の再稼働を要請した際、県連には事前の通知がファクス1枚もなかった」と、唐突な対応だったと批判。
原発をかかえる北海道連と福井県連からは、海江田氏が運転再開を要請した後に首相がストレステストを指示したことに関し「閣内不一致ではないか」と指摘する声が出た。九電川内原発がある鹿児島県連も「もっとエネルギー政策をしっかりやってくれ」と要請した。
松本龍前復興担当相の辞任に関しては、被災地の宮城県連が「松本氏の発言が出たとたん、電話が殺到して仕事にならなかった。首相に任命責任があるのではないか」と非難。また、小沢一郎元代表の地元・岩手県連の佐々木順一幹事長は会議後、記者団に「9月11日の県知事選と県議選は、新体制で戦う態勢にしてほしい」と、首相の早期退陣を求めた。【青木純、光田宗義】
毎日新聞 2011年7月9日 20時00分(最終更新 7月9日 21時03分)