Scilab は作図のため数多くのコマンドがあり,そのため使いづらい面もあっ
た.Scilab 3.1 以降では matlab の作図コマンドと似た
コマンドが導入されるとともに GUI で図を編集できることになり,より使い
易い環境を提供している.ここでは,二次元プロット用の関数
plot を中心に説明を行う.
plot(y,<LineSpec>,<GlobalProperty>) plot(x,y,<LineSpec>,<GlobalProperty>) plot(x1,y1,<LineSpec1>,xN,yN,<LineSpecN>,<GlobalProperty1>,..<GlobalPropertyN>)である.<LineSpec>,<GlobalProperty> はオプションである. x,y ともに実数ベクトルあるいは実数行列である.
y がベクトル(行列)のとき plot(y) は 1:size(y,'*')
に対する
y の(各列ベクトルの)値をプロットする.
-->y=0:2:10; -->plot(y);とすれば図 7が描画される.
作図した図をclfで消去しなければ, 次の図が上書きされる.
-->clf()図 8は以下を実行した結果を示している.
-->plot(eye(3,3))
x と y がベクトル(行列)のとき x の(列の)要素に対応する y の(列の)要素 をプロットする.このときx と yは同じ行数を持っていなければならない. 図 9はつぎを実行して得られた図である.
-->x=[0:0.1:2*%pi]'; -->clf() -->plot(x,sin(x))
'--r*'
とすれば,赤い破線で*
つきのグラフと
なる(図 10).
-->clf() -->plot(x,sin(x),'--ro')
xtitle('図のタイトル','X 軸のタイトル','Y 軸のタイトル')とすることで,図のタイトル,X 軸のタイトル,Y 軸のタイトルを描くことが できる.
legend(['文字列 1';...;'文字列 N'],位置)で描くことができる.ここで
タイトルと凡例を付加するプログラム例を以下に示す.
-->clf(); -->t=0:%pi/20:2*%pi; -->plot(t,sin(t),'ro-.',t,cos(t),'b+',t,abs(sin(t)),'--mo'); -->xtitle('Figure','Time', 'Amplitude'); -->legend(['sin(t)';'cos(t)';'|sin(t)|'],3);
図12のグラフィックウィンドウにおいて, Edit の Figure Properties を選択すると図13の ような画面が現われ,変更したい項目を選ぶことができる.
この例では,Axes(2)を選択すると図 13のウィンドウが出 てくる.X Axis では,Label 名,Visibility (表示の有無),Color (色), Size (文字のサイズ),Font style 等が変更できる.
GUIグラフィックエディタを用いて図 11のタイトルを 修正したものが図 15である.
Print は(プリンタが適切に設定されていれば)図をプリンタに出力する.
Export は図を PostScript形式や Xfig 形式で出力する. Exportを選択すると図 16のようにウィンドウが出る. LATEXファイルに図を貼り付けたい場合は,Postscript-Latex を選択し, Type,Orientation,Fileneme を設定し Ok を選択する. なお,出力されたファイルの拡張子は eps である.
Save は図(の作成手順)をScilab の特殊形式のファイルにセーブする. セーブしたファイルを Load すると,セーブされた図が再描画される.