南相馬市から出荷された牛の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受けて、福島県は9日、生産者団体などを集めた緊急の会議を開き、肉牛の検査態勢の見直しを検討することになりました。
会議には、福島県内の農協や畜産農家の団体の代表らおよそ20人が出席し、はじめに県の担当者が、南相馬市に対し肉牛の出荷の自粛を要請したことや、県のスクリーニング検査では11頭のいずれについても放射性物質が検出されなかったことを説明しました。福島県ではこれまで、県内から出荷する牛の肉の放射性物質の検査はいわゆるサンプル検査の形で行ってきました。しかし、9日の会議では、出席者からすべての肉を対象に検査を行うよう求める意見が相次ぎ、県は今後検査態勢の見直しを検討することになりました。出席した畜産農家の団体の副会長は「風評被害もあり、経営はかなり厳しい。全頭検査をして安全な肉牛を提供すべきだ」と話していました。