“10年で燃料取り出しは可能”
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“10年で燃料取り出しは可能”

7月9日 21時28分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

今回明らかになった工程表について、原子力発電所の廃炉に詳しい東京大学大学院の岡本孝司教授は「スリーマイル島原発事故では溶けた燃料は一部で、すべて原子炉の中に残っていたが、燃料の取り出しには10年かかった。今回は原子炉や格納容器が壊れて燃料が漏れ出しているとされ、スリーマイルよりは10倍、20倍難しい問題だ。しかし、スリーマイルの経験を生かしながら進めれば、10年というスケジュールは可能ではないか」と話しています。

そのうえで、今後の課題として「使用済み燃料プールは比較的損傷は少ないと思うが、一部の燃料は壊れて取り出せなくなっている可能性があり、容器を切り出しながら進めなければいけない。さらに、もし原子炉に水が張れない場合は、非常に高い放射線量の中でも作業できる遠隔操作ロボットの開発が必要になる。いずれにしても世界がこれまで経験したことのない状況で、国際的な英知を結集して当たらなければならない」と指摘しました。また、廃炉までさらに数十年かかるとされていることが住民の避難などに与える影響については、「現在の工程表でステップ2の目標とされる、放射性物質の放出が管理された状態になれば、20キロ以内でもかなりの方々が帰ることができると思う。それでも、燃料があるうちは僅かでも危険性は残っているので、東京電力は住民の不安を和らげるためにも、どれだけの危険性があるのか詳しく説明することが求められる」と話しています。