地球は史上最大の危機を迎えていた。
全宇宙を支配しようとする宇宙帝国ザンギャックの大艦隊が破壊の限りを尽くして人々を恐怖のどん底に陥れていたのだ!!
だが、地球にはその強大な悪に立ちはだかる戦士たちが存在した!!
愛と、夢と、平和と、人々の平和を守り続けてきた34のスーパー戦隊だ!!
この戦いが世にいうレジェンド大戦である!!
しかし、地球を守ってきた戦士たちは彼らだけではない!!
これは語られることのなかったもう一つのレジェンド大戦である!!
34のスーパー戦隊が日本でザンギャックの大部隊と戦っていた頃、世界各国の都市もザンギャックの襲撃を受けていた。
ザンギャックの目的は地球征服。
故に、他の国へと襲撃を行うのは必然であった。
しかし、スーパー戦隊の全ては日本に集結しており、ザンギャックに抵抗する戦力は無い。
だからこそ、人々の脳裏や心によぎるのは絶望の二文字。
ズゴーミンが腕のクローから、ゴーミンがライフルから光線を放とうとした時――――。
一陣の風が吹き荒れ、一条の光が鮮烈に輝き、一筋の稲妻が轟く。
それらは目を、耳を覆う程でありながら、希望を失いかけていた人々に何処か穏やかさを感じさせた。
人々が目を開けた瞬間、そこには――――。
そこには11人の姿があった……彼らには共通している秘密がある。ジャッカ―電撃隊のメンバー同様に改造人間という共通点が。
誰もが戦いを望んで成った体ではない――――だが、彼らはその鋼の体を、人々を守るために使い、歴代の悪の組織や宇宙からの侵略者との戦いを勝ち抜いてきた歴戦の戦士たち。
「皆、行くぞ!! 変身だ!!」
「「「「「「「「「「「おお!!/はい!!」」」」」」」」」」」
伝説の始まりである本郷猛の号令と共に、各々が固有の構えを取る。それは、己を戦う姿へと変えるスイッチ!!
「ライダァァッ変……身!!」
「「「「――――変……身!!」」」」
「変……身、V3ャァァッ!!」
「――――ヤー!!」
「大・・変・・身!!」
「アーマーゾォォ――ン!!」
「変……身…ストロンガァァ!!」
「スカイ!! 変身!!」
ベルトから――或いは、体全体から光を放ち、それが収まった後には人の姿はなく、いたのは仮面で素顔を隠した戦士――――仮面ライダーの姿!!
彼らは疾風となり、臆することなくザンギャックの部隊へと突撃した!!
ここには三人の姿がある……彼らも仮面ライダーと同様に共通している秘密を持っている。それは、特捜戦隊デカレンジャーたちと同じ宇宙刑事。
そう、嘗て自分の命を真っ赤に燃やし、青春の熱い血潮をぶつけて、地球を、全銀河を、守り、戦った、平和を栄光とする3人の無敵の宇宙刑事の姿が!!
「「「蒸着!!/赤射!!/焼結!!」
その叫びと共に、衛星軌道上にある各々の戦闘艦から電送されてくるコンバットスーツを纏った勇者――――宇宙刑事へと姿を変える!!
彼らは各々のブレードを手に敢然とザンギャックの部隊へと立ち向かっていく!!
楽器が奏でる音色と共に四人の男の姿があった。人造人間の兄弟、超能力者、全てにおいて頂点の男の姿が。
彼らには仮面ライダーや宇宙刑事たちのようにスーパー戦隊と共通したモノはない。が、悪を挫き、弱き人々を助けた――ヒーロー足りうる存在!!
「「「クロスボディ・ダブルチェンジ!!/超力……招来!!」」」
「ズバッと参上、ズバッと解決!人呼んでさすらいのヒーロー!快傑ズバット!」
今、晴天の青空を背に四人のヒーロー――キカイダー、キカイダー01、イナズマンF、快傑ズバットが降臨した!!
彼らも、仮面ライダー・宇宙刑事たち同様に勇猛果敢にザンギャックの部隊と戦いの火蓋を切った!!
仮面ライダー達の拳が、蹴りが唸りを上げ、ズゴーミンとゴーミン達を吹き飛ばし――。
宇宙刑事たちのブレードから剣閃が放たれれば、ズゴーミンとゴーミン達を斬り裂かれ――。
キカイダー兄弟の息の合った連係が、イナズマンFは超能力と技で、ズバットは稲妻の如き鞭捌きで、ズゴーミンとゴーミン達を一蹴する――。
だが、ザンギャックは宇宙帝国を名乗り、スーパー戦隊達も個々で対応できない巨悪!!
質で言えば、彼らに勝てないが量で対抗する奴らに彼らが採った手段、それは――――。
「一文字、風見、ライダートリプルパワーだ!!」
「「おお!!/はい!!」」
1号と2号とV3はズゴーミンを殴り飛ばすと、サイクロンを呼び出して3人のエネルギーを集中させて突撃する。
「――――ズゴー!!」
叫び声を上げながら複数のゴーミン達は成す術もなく吹き飛ばされ――
「――――ネットアーム、今だ!!」
「――――チェーンジ冷熱ハンド、超高火炎!!」
ライダーマンのネットアームに捕らわれたゴーミン達がスーパー1の超高火炎に燃やされ――
「――――ライドルホイップ!!」
「ケケ――――!! 大、切、断!!」
Xライダーとアマゾンの切断技によってゴーミン達は切り裂かれ――
「スカーイ、スクリューキーック!!」
「――――ZX穿孔キック!!」
空中にあるザンギャックの戦闘空母はスカイライダーとZXの二人が放つ貫通蹴りに――。
「――――超電子ウルトラサイクロン!!」
万全の状態で放つストロンガー最大の超電子の技の前にゴーミン達は耐え切ることなどできず――。
「俺は、炎の王子!! RX・ロボ、ライダー!!」
ズゴーミン達の光線を吸収し、それをパワーに変えたロボパンチが唸りを上げてゴーミン達を吹き飛ばし――
「――――ボルテックシューター、ハードショット!!」
右太もものホルダーから引き抜いた光線銃が火を噴き、ズゴーミン達へ光線が着弾する――。
RXの攻撃はそれだけでは終わらず――――
「俺は、怒りの王子!! RX・バイオ、ライダー!!」
名乗りを上げるとともに己が肉体をゲル化させ、ズゴーミンとゴーミン達にバイオアタックを炸裂させ――
「――――バイオブレード、スパークカッター!!」
ズゴーミンとゴーミン達が最後の悪足掻きとなる光線を発射するが、バイトブレードに吸収……または反射され、近づいたバイオライダーに一切の抵抗もできずに切り裂かれ――
仮面ライダー達が技を放った後方で、空中で沢山の爆発が連鎖する。
そう、彼らの相手をしていたザンギャックの部隊が!!
「よし、皆。日本でザンギャックの大部隊と戦っているスーパー戦隊達の援護へ向かうぞ!!」
「「「「「「「「「「おお!!/はい!!」」」」」」」」」」
1号のその言葉に、ライダー達は各々のマシンに跨り、日本へ向かう!!
同じ地球を守り続けてきた仲間たちを助けに、彼らは再び疾風と化した!!
ズゴーミンとゴーミンの部隊をシャイダーがビデオビームガンで牽制し
「「――――レーザーZビーム!!/クライムバスター破壊ビーム!!」」
ギャバンとシャリバンの破壊光線が放たれる。
「――――ズゴー!!」
その破壊力に耐え切れず爆発するのもいれば、直撃を免れて吹き飛んでいくザンギャックの部隊!!
だが――――
「――――ズゴー!!」
その穴を埋めるべく、残りの部隊が愚直に前進してくる。
それらを前に――――
「「「――――レーザーブレード!!」」」
ギャバン、シャリバン、シャイダーは臆することなく、己がブレードにバードニウム・ソーラー・光子エネルギーを注ぎ込み、刀身を青く輝かせて切り込んでいく!!
その戦う様は正しく迅雷!!
「――――ギャバン、ダイナミック!!」
巨大化した相手すらも倒したギャバン最大の技の前に、ズゴーミン達は抵抗すらできず、一刀両断に切り裂かれ――
「――――シャリバン、クラッシュ!!」
シャリバンの体から溢れ出るエネルギーが、ゴーミン達の目には背に日輪を背負ったかのように見えた時、シャリバン最強の技が炸裂し――
「――――シャイダー・ブルーフラッシュ!!」
シャイダーの放つ不敗の必殺技が、残った部隊を真っ二つに切り裂く!!
宇宙刑事達が振り返った時、後方で大爆発が起きる!!
それは、ザンギャックの兵士部隊の敗北の証!!
「――――よし、スーパー戦隊の援護に行くぞ!!」
「「――――はい!!」」
ギャバンのその言葉にシャリバンとシャイダーは戦闘母艦へと乗り込む!!
自分たちの後輩であり、友でもあるデカレンジャー達を含めたスーパー戦隊が戦っている場へと急行するために!!
キカイダー、キカイダー01、イナズマンF、快傑ズバットとズゴーミンとゴーミン達の部隊は不思議な空間にいた。
これこそ、イナズマンFが超能力を用いて作り出した異次元!!
ザンギャックの部隊は先程まで人々がいた場所から空間に変わったことに驚いているが、ヒーローである彼らはそうではない。
「何の罪もない人々を苦しめ、殺し! あまつさえ……地球を侵略しようとしているザンギャック!!」
ズバットがザンギャックの罪を挙げながら、右手の指をザンギャックの部隊へ向ける。
キカイダーや01、イナズマンFは何も言わない。が、気持ちはズバットと何ら変わらない。
そう、彼らはザンギャックという巨悪に『怒り』を感じていた。
「――――許さん!!」
ズバットが言い終わるや否や、彼らはザンギャックへと突撃していく。
ズゴーミンとゴーミンの複合部隊は光線を彼らめがけて一斉に発射する。
「――――デェッ!!」
ズバットは叫び、Z型の赤い柄を持った鞭を取り出して振るう。
驚いたことに、一振りで、光線は全て叩き落されるか跳ね返され、前方にいたゴーミン達が吹き飛ばされる。
それを目にして驚かずにはいられないザンギャックの部隊。
だが、ズバットは情け容赦なく鞭を振るう。振るわれた鞭が赤い閃光となり、ゴーミンの首に巻きつく。
その状態でズバットは鞭を勢いよく振り上げる。
「ズゴー!?」
悲鳴を上げたときには既にゴーミンの身体は宙に浮き、地面に叩き付けられる。
その際に生じた衝撃波で周囲にいたゴーミン達は吹き飛ばされる。
鞭だけでゴーミンを軽々と投げるその姿にザンギャックの部隊は戦慄せずにいられなかった。
更に、ズバットの鞭が生き物のように動き、ズゴーミン達を叩き伏せ、投げ飛ばす。
そして、鞭で叩かれるだけでもゴーミン達は数百メートルまで吹き飛ばされる。
かつての戦いから、数十年経った今でも鞭の冴えは衰えるどころか、更なる磨きがかかっている。
それを相手にして、ズゴーミン達如きが反撃することなどできはしない!!
「――――兄さん、いくよ!!」
「――――ああ!!」
キカイダーと01、お互いの腕をクロスさせて同調する「クロスボディ」を発動させてエネルギーを凝縮させる――――
「――――ダブル・ブラザー・パワー!!」
01の左腕とキカイダーの右腕から光弾が放たれる!!
一歩間違えれば、自分たちが爆発してしまう技を躊躇わずに使うのは、この星を、そこに住む人々を、命を懸けてでも守るという決意があるからこそ!!
その決意の前に、命令に従うだけのズゴーミン達が勝てる訳がない!!
ズゴーミンとゴーミン達の大多数はこの異次元を生み出しているイナズマンFに向かっていく。
恐らくは、この空間の生成に力を割いているのでズバット、キカイダー、01よりは倒し易いと踏んだのだろう。
だが、その考えは最大の愚行だ。
人々を傷つけた巨悪に抑えきれない怒りを爆発させた地球のヒーローにそんな計算など通用しない!!
「――――超力稲妻落とし!!」
イナズマンの頃に多用していた必殺技が、接近してきたズゴーミン達に炸裂する。
その威力たるや、かつて以上の強烈さ!!
接近では分が悪いと察したのか光線に切り替えて攻撃するが
「――――ゼーバー・逆転チェスト!!」
赤い突起を展開したゼーバーを掲げて、光線を反射されて逆にダメージを受ける。
「ズゴー!!」
イナズマンFから感じる威圧感に、恐怖を覚えたズゴーミン達は逃げようとする。
「――――逃がさん!! ゼーバー・イナズマンフラッシュ!!」
ゼーバーの稲妻状のアンテナによって増幅された雷撃が放たれ、ズゴーミン達は逃亡を果たせずに爆発する。
それが最後――――日本以外の世界各地に襲撃したザンギャックは壊滅した!!
「――――皆、俺の傍に!!」
イナズマンFのその言葉に、キカイダー、01、ズバットが傍に寄る。
それを確認すると
「――――ゼーバー・テレポーテーション!!」
青い突起を展開したゼーバーを掲げて、イナズマンFは全員を瞬間移動する。
向かう先は、スーパー戦隊が結集している――――彼らの故郷でもある日本!!
地球で大勢のレジェンドが戦っている頃、果ての無い大海原――――宇宙では、地球へと向かう複数のエネルギー反応があった。
そのエネルギー反応の通った後には――――宇宙帝国ザンギャックの艦隊の残骸があった!!
そして、そのエネルギー反応の場では――。
「クッ、これ以上お前を通す訳には行かねぇ!! 地球で戦っているカクレンジャー達のためにも!!」
「貴殿のような存在は絶対に止めてみせるでござる!!」
「大神龍だが、何だか知らないけど恭介が命を懸けてザンギャックと戦って守っている地球には行かせないわよ!!」
宇宙の秩序を守る為に大宇宙が生み出した超宇宙生命体――――大神龍とそれを食い止めんとする姿があった。
三神将の弟子であるニンジャマン!!
六億年の時を生きたキングレンジャーでさえ詳細を知らない謎の魔神・ガンマジン!!
妹であるラジエッタ・ファンベルトと共にファンベル星の第一王女・バニティーミラー・ファンベルトが搭乗できるように改良したのであろうラジエッカーロボで奮闘していた。
彼らが必死に食い止めているのは――――大神龍が、争う者は正義も悪も関係無く、全てを無にするまで破壊の限りを尽くす、地球にとっては最悪の調停者だからだ!!
現に、その存在理由に恥じず、ザンギャックの地球に送った戦力の八割は大神龍によって壊滅させられたのだ。
逆を言えば、大神龍の存在があったから地球のレジェンド達がザンギャックとの戦いを現在も持ち堪えられていると言える。
しかし、ダイレンジャーの戦闘以降は地球に介入したことがない大神龍が動くということは、地球を破壊するために動いている可能性が高い。
そう、レジェンド達が今まで命を懸けて守ってきた地球という星の存在は、全銀河から見たら辺境の惑星。が、全銀河を揺るがす程の侵略者が狙ったことは数知れない。
見方を変えれば、地球という星こそが争いの中心点ともいえるのだ!!
本来ならば、巨大ロボを含めたレジェンドの全戦力を動員して、漸く止められるかどうかという存在を前に彼らは健闘しているが――――。
「「「「ウワァァァァ――!!」」」」
鬱陶しげに大神龍が頭を振るわせただけで彼らは吹き飛ばされる。
このままでは、大神龍が地球へと向かってしまう、と彼らが思った時――――
「「「「「「「――――デュワ!!」」」」」」」
「「――――イヤァァァァァァ!!」
強大な光線と赤熱化した蹴りが大神龍に直撃する。
次の瞬間、大神龍の前に九つの赤い球体が進路を防ぐように現れる。
彼らの正体、それは――――決して諦めず、不可能を可能にする光の超人たち!!
そう、M78星雲と獅子座L77星の超人である――――ウルトラ兄弟!!
ウルトラマン、ゾフィー、セブン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラ、80!!
しかし、彼らの一斉攻撃をもってしても、大神龍は全くの無傷だった!!
「「「「「「「「「――――何だと!?」」」」」」」」」
それを見た彼らは驚愕を隠せずに声を上げる。
大神龍は未知の金属メガトロニウムで覆われた身体。
その体の前には如何なウルトラ兄弟の一斉攻撃といえども、無力だというのだろうか……。
「―――――ッ、不味い!! 皆、彼らを守るぞ!!」
ウルトラ兄弟の長兄であるゾフィーが大神龍の挙動から何かを察し、ウルトラマン達に告げる。
その言葉と共にウルトラ兄弟は全員の力で、ウルトラグランドウォールを発動させる。
それと同時に大神龍の全身からプラズマ衝撃波が放たれる!!
「「「「「「「「「――――グゥゥゥゥゥ!!」」」」」」」」」
その威力は、かつてのダイレンジャーとゴーマの戦いの時以上の威力!!
ウルトラ兄弟でさえ、少しでも気を抜けば展開しているバリアを突破されかねない。
彼らだけならば、沢山ある超能力で回避できたかもしれないが、後方に守るべき存在――――ニンジャマン達がいる限り、それはできない。
しかし――――
「「「「「「「「「――――ガァァァァァ!!」」」」」」」」」
彼らの全力をもって作り出したウルトラグランドウォールは、遂に突破され、彼らもニンジャマン達の所へ吹き飛ばされる。
「……!! テメェ、よくもやりやがったな!!」
そんな彼らの姿を見て、ニンジャマンの怒りは、今頂点に達した!!
「――――怒り爆発!!」
その掛け声とともに真の姿であるサムライマンへと姿を変えた!!
「例え、勝てないとしても地球を壊すかもしれないテメェを行かせてたまるか!!」
サムライマンが、己が命を懸けて大神龍へと特攻しようとした時――――輝く三つの光球が彼の目の前に降り立つ。
光球から姿を現したのは、超人であるウルトラ戦士たちから、そして違う並行世界のギャシー星人に神と謳われている――――ウルトラマンキング、ウルトラマンノア、ウルトラマンレジェンドの姿があった!!
猛威を揮い、ウルトラ兄弟とサムライマン達を圧倒した大神龍の前に伝説のウルトラマン達が降臨した!!
ウルトラ族伝説の超人で、光の国のプラズマスパーク建設に尽力し、ウルトラ長老の一人にして、ウルトラ戦士達から見ても、神のような存在とされているウルトラマンキング!!
宇宙の大いなる2つの力であるウルトラマンコスモスとウルトラマンジャスティスの二人が合体して誕生する宇宙の神であるウルトラマンレジェンド!!
太古より全宇宙の平和を守り続ける伝説の存在であり、M78星雲ではキングと双璧を為すウルトラマンネクサスの究極の姿であるウルトラマンノア!!
彼らが集まる事など、史上初の出来事である。
何せ、彼ら一人だけでも地球で命を賭けて戦い、倒したレジェンド達の宿敵達を倒せる程の強さを持っているのだから。
逆を言えば、大神龍の強さは彼ら三人が集まらなければ対応できないということを意味する!!
そう、大神龍に一蹴されたウルトラ兄弟とサムライマン達は弱いのではない。
彼らとて、地球で戦っているレジェンド達に勝るとも劣らない強さは持っている。
ただ、大神龍の強さがそれを遥かに上回っていただけなのだ。
「――――大宇宙が生み出した存在よ、地球が如何な戦いの中心点であってもそこに生きている命がある限り、お前の行動を認める訳にはいかん」
キングのその言葉と共にノア、レジェンドが大神龍の左右の後方へ瞬時に移動する。
「お前の身体は我々の力を持ってしても破壊する事は叶わないだろう。しかし、我々の力を使い果たしてでもお前をここに封印してみせる」
キング、ノア、レジェンドの三人の身体が金色に輝き、辺り一帯の宇宙を照らす!!
それは、彼らの力でもあり、体を構成する光を解放させている兆候。
「「「「「「「「キング、それは我々がやるべき事です!!」」」」」」」」」
漸く立ち上がったウルトラ兄弟がキング達の行動を止めようと叫ぶが
「ウルトラ兄弟よ、残念だがお前達ではこの存在を封印する事は出来ない。故に、これは我々の役目なのだ」
後ろにいるウルトラ兄弟達に振り向きもせずに答えるウルトラマンキング。
「それに、新たな光の戦士達もいる。
そして、地球での戦いを経て成長したお前達になら宇宙の平和を任せられる。だからこそ、我々はここで命を賭けれるのだ」
その言葉にウルトラ兄弟は何も答えることができなかった。
「後は任せたぞ、ウルトラ兄弟達よ!!」
「「「「「「「「「ウルトラマンキング!!」」」」」」」」」
次の瞬間、金色の光が一層輝きを増して漆黒の宇宙を満たした!!
輝きが消えたその場にはキング、ノア、レジェンド――――そして、大神龍の姿はなかった。
その場から遠く離れたM78星雲のプラズマスパークタワーでは
「「……おお/……ああ」」
ウルトラの父と母がキング達の行動を察したのか、嘆き声を上げ
「「どうしたのですか、ウルトラの父、ウルトラの母!! ……まさか兄さん達に何か!?」」
ウルトラの父と母のその行動に驚き、自分達の不安を尋ねるメビウスとヒカリ。
彼らも最初はウルトラ兄弟と共にザンギャックが侵略を開始した地球を救援に行こうとした。
だが、他ならぬウルトラ兄弟に止められたのだ。
自分達にもしもの事があった時、若いウルトラ戦士の訓練生達を鍛える戦士が必要だ、と言われて。
そんな不吉な言葉を聞いたからこそ、彼らは尋ねたのだが
「……メビウス、ヒカリ、心落ち着いて聞くのだ。
たった今、ウルトラマンキング、ノア、レジェンドの三人が自身の命を賭けて地球へと向かっていた大神龍を封印した」
「「――――そんな馬鹿な!?」」
返って来たのは予想外の答えだった。
情報としては大神龍の事は知っているが、実際に遭遇したことがないのでその強さをメビウスとヒカリは知らない。
だが、ウルトラマンキングの強さは自分達を圧倒したべリアルも容易く封じ込め、ノアとレジェンドに至っては言うまでもない。
だからこそ、その三人が命を賭けて封印しかできなかった存在がいるなど信じられないのだろう。
しかし、驚愕から我に帰ったメビウスとヒカリはウルトラの父に自分達も地球に行かせて欲しいと頼み込もうとするが――――
「太陽系外のザンギャックの部隊はグレートとパワード率いるウルトラ戦士達によって何とか食い止めている……後は、地球にいる戦士達に任せよう」
それを察したウルトラの父が彼らを制するかのように告げる。
「「ですが――――」」
「メビウス、ヒカリ……ザンギャックは史上類を見ない大勢力です。
それが証拠に、地球へ送り込んだ戦力には他の星の侵略行為の時にいた行動隊長を送り込まず、地球の戦士達に苦戦を強いらせています。
この戦いを乗り越えれば、今度こそザンギャックは全戦力を賭けて地球を征服しに行くでしょう。
その時に備える為にも、あなた達には未だ若いウルトラ戦士の訓練生達を鍛えなければなりません」
更に懇願しようとしたメビウスとヒカリをウルトラの母が彼らを戒める。
そう、恐るべきことにザンギャックは行動隊長を送り込まずに、物量だけで地球のレジェンド達を苦しめているのだ。
その言葉を聞き、今度こそメビウスとヒカリは押し黙る。
彼らとて分かっているのだ、ザンギャックの脅威は。
しかし、彼らは機械ではない……頭で理解していても心では納得できないのだ。
「……分かりました、僕らが地球で学んだことの全てを賭けてウルトラ戦士の訓練生達を鍛えて見せます」
その言葉と共にメビウスは、訓練生達がいる場所へ向かう。その後にヒカリも続く。
ザンギャックの地球侵略部隊が未だ活動を続けている日本では――――
「「「「「――――ウオォォォ!!」」」」」
地球を護る使命を持つ護星天使たち――――ゴセイジャーがザンギャックとの戦いで力尽きたゴーカイグレートを背にズゴーミンとゴーミンの部隊と戦っていた!!
彼らの他にも、日本各地に攻めてきたザンギャックの部隊と33のスーパー戦隊が各地に散って戦っている。
しかし、その戦力は世界各国に攻めてきたザンギャックの部隊よりも多く、スーパー戦隊が誇る飛空戦艦と巨大ロボが半壊してしまった!!
だが、それでも彼らは怯むことなくザンギャックと戦っている。
しかし―――――
「ズゴ―!!」
「「「「「――――ウワァァァ!!」」」」」
遂に数の差に押され、ズゴーミン達が放つ光線に吹き飛ばされるゴレンジャー達。
「――――皆、一端引くんだ」
ゴセイレッドのその言葉に、ゴセイピンク、ゴセイブラック、ゴセイイエロー、ゴセイブルーは大樹の傍まで避難する。
「一体、何なんだ。これまで地球を侵略してきた奴らと桁違いの数の多さだぜ」
「ああ、一人一人は強くはないがそれを数の多さで補っている」
「でも、もう少しでこの星を守ってきた先輩たちに逢えるんだ。皆、頑張ろう――――」
ゴセイレッドが激動の言葉をかけた時
「ズゴー!!」
彼らをズゴーミン達が発見し、腕のクローとライフルを構え、ゴセイジャー達に光線を発射しようとする。
それを見て、テンソウダーとゴセイカードを取り出し、ゴセイジャー達が反撃しようとした時
「――――レッドビュート!!」
「――――サイクロンアタック!!」
赤い閃光と緑の疾風がズゴーミン達を吹き飛ばす!!
吹き飛ばされたズゴーミン達は爆発し、爆風が起きる。
それが晴れた時、そこには二人の戦士が立っていた。
「――――あなた方は、初代スーパー戦隊と仮面ライダーを率いて悪と戦った、アカレンジャーに仮面ライダー1号!!」
ゴセイレッドがその姿を見て、彼らの名を叫ぶ。
「「いかにも、私の名はアカレンジャー!!/仮面ライダー1号!!」」
同じ地球を護ってきた後輩に名乗る歴戦の戦士であるアカレンジャーと仮面ライダー1号。
その勇姿はゴレンジャー全員に感銘を与えずにはいられない。
だが、その隙を狙ってゴセイジャー達の後ろでズゴーミン達が攻撃しようとし――――
「「――――トォ!!/デェッ!!」」
「ズゴ~!!」
白と赤の迅雷の前に敗れ去る!!
爆発の音を聞き、ゴセイジャー達が後ろを振り向くとそこには
「ジャッカー電撃隊の行動隊長ビッグワン、さすらいのヒーロー・快傑ズバット!!」
白い鳥人・ビッグワンと赤い超人・ズバットの姿があった!!
「「アカレンジャー、仮面ライダー1号、地球を護るために全てのレジェンドが集結した!!」」
「「――――うむ。ゴセイジャー、我々はこれから命を賭してザンギャックとの戦いに挑む。君達も来てくれるな?」」
本来ならば、聞くまでもなく答えは分かっているのに、アカレンジャーと仮面ライダー1号は尋ねる。
それなのに尋ねるのは、覚悟を確かめるためか……あるいは、若いゴセイジャー達の身を案じているのか……。
「「「「「――――はい!!」」」」」
ゴセイジャーの全員が返した答えは肯定――――戦う覚悟。
「「――――よし、それでは皆の元へ向かうぞ!!」」
アカレンジャーと仮面ライダー1号は、その答えを聞き、この場にいる全員を率いて、レジェンド達が集合している場所へ向かおうとして――――
「ズゴー!!」
ズゴーミン達がその行く手を遮るように立ち塞がる。
それを見て強行突破するしかないと各々が構えた時――――
「ズゴー!!」
ゴーミンの頭に名刺のような金属製で銀色のカードが突き刺さる。
それを見て残りのゴーミンやズゴーミン達は、カードが飛んできた方を見上げるとそこには――――特捜ロボ・ジャンパーソンと相棒であるガンギブソン、ジャンパーソンのサポートロボであるアールジーコの姿があった。
「――――ジャンパーソン、フォー・ジャスティス!!」
「ハッ、地球を征服しようだなんて俺たちがいる限り、無理だってことを教えてやるぜ!!」
「そうだ、そうだ!! ガンモドキの言う通りだ!!」
彼らもスーパー戦隊や仮面ライダー、宇宙刑事達と同様に地球の危機に駆け付けたのだ!!
そして、駆け付けたのは彼らだけではない。
「――――ベガスラッシュ!!」
「――――マージ・ゴル・ジー・マジカ、ブレイジングストームスラッシュ!!」
「――――スーパーファイナルブロー!!」
「――――カブトニックバスター!!」
四つの必殺技がアカレンジャー達の行く手を塞いでいたズゴーミン達を吹き飛ばす!!
爆炎が晴れた後には、歴代のスーパー戦隊と共に戦ったシグナルマン、黒騎士ヒュウガ、装甲ジーク、デカマスター、デカスワン、 デカブライト、ウルザード・ファイヤー、マジマザー、大剣人ズバーン、女シンケンレッドの十人の姿。
そして、ジャマールとメルザード一族を倒したビーファイターの戦士たちの姿があった。
「アカレンジャー、仮面ライダー1号、ビッグワン、快傑ズバット、ゴセイジャー、ここは我々に任せて君たちは早く仲間たちの元へ!!」
援護に来た戦士たちを代表してジャンデジックでゴーミン達を撃ちながら、ジャンパーソンがアカレンジャー達に先へ向かうように促す。
「「「「分かった、ここは任せるぞ!!」」」」
アカレンジャー、仮面ライダー1号、ビッグワン、快傑ズバットはゴセイジャー達と共に、彼らにここを任せて仲間の元へ向かおうとするが、懲りずにズゴーミン達が立ち塞がろうとし
「「――――ハアッ!!」」
ゲキレンジャーのライバルであった黒獅子リオとメレに吹き飛ばされる。
それを予想していたかのようにアカレンジャー達は一切止まらずに先へ進む。
仲間たちが戦っている地球の戦いでも史上最大の戦場へ臆することなく!!
「「――――トォ!!」」
アカレンジャーと仮面ライダー1号が、地球を護ってきたレジェント達の集合した中央に降り立つ。
レジェンド達の前方には地球侵略に来たザンギャックの残存部隊の姿がある。
その数は、今までレジェンド達が各地で戦っていた以上の数!!
正に、物量こそがザンギャックの強みといわんばかりの人数を前に、地球を救ってきたレジェンド達は
「「――――皆、行くぞ!!」」
『――――おお!!』
アカレンジャーと仮面ライダー1号の号令を受け、臆することなく突撃する。
ザンギャックもそれに対抗すべく動くが
『ズゴー!!』
「「どうじゃい、どうじゃい、キレンジャー様の力は!!/どうした、どうした、その程度で地球を侵略しようなんて笑っちまうぜ!!」」
『――――ズゴ~!?』
己の力を武器に敵に真っ向から戦いを挑んだ戦士たち――――キレンジャーと仮面ライダー2号を先頭に、ズゴーミン達を吹き飛ばしていく!!
「「――――エレキビュート!!/ライダーきりもみシュート!!」」
その後に続くように、研ぎ澄まされた技を持つ戦士たち――――アカレンジャーと仮面ライダー1号を筆頭に惜しみなく技を放つ!!
「「――――稲妻斬り!!/新飛翔返し!!」」
死を恐れることなく敵と剣を斬り結んだ戦士たち――――ダイヤジャックとバルイーグルが先陣を切り、それに続く形で数多の斬撃が乱れ舞う!!
「「――――いいわね? 行くわよ!!/涙を捨て、戦場に咲く桃の花!!」」
女性の戦士たちも彼らに負けず劣らず、モモレンジャーとハートクイーンの後に続き、己が技を、武器を使ってザンギャックの部隊を倒していく。
『――――ハアッ!!』
ニンジャレッドとハリケンレッド……そして、忍者ライダーの異名を持つZXの三人の赤き剣閃が煌き
『――――トォ!!』
リュウレンジャー、ゲキレッド、スーパー1、三人の磨き上げた拳法が炸裂する。
『――――タァッ!!』
ジェットマンとスカイライダーの上空からの攻撃が崖に立っていたズゴーミン達を叩き落とし
『――――ガオッ!!/ケケー!!』
ガオレンジャーとアマゾンの野獣の如き攻撃がズゴーミン達に襲い掛かる。
「――――トォァ!!」
リボルケインを使って戦っているRXの背後をズゴーミンが腕のクローから光線を放とうとして
「ズゴー!?」
突如、血を連想させる朱い斬撃が襲い掛かり、失敗に終わる。
――――カシャン、カシャン、カシャン!!
そんな金属音と共に彼が、この戦場にやってきた!!
「――――RX、お前を倒すのはこのシャドームーン、唯一人!! こんな奴らにやられるなど断じて許さん!!」
そう、仮面ライダーBLACK RXの宿敵にして最強のライバル――――もう一人の世紀王・影の月……シャドームーンが!!
「――――シャドームーン、お前まで来てくれたのか!!」
RXの声には驚きと共に歓喜の感情も交じっていた。
歴代のスーパー戦隊で戦死した戦士も地球の危機の前に復活を果たして戦っているのでシャドームーンがいてもおかしくはない。
だが、それでもRXは嬉しかったのだろう。
かつての戦いでは、殺し合うしかなかったのに、この場限りでも、共闘できることが!!
「――――何度も言わせるな、お前を倒すのはオレだけだ!!」
「――――分かった、今はそれでもこの地球の為に、共に戦おう!!」
恐らくは、最初にして最後ではあるが、ここにRXとシャドームーンが背中を合わせて共闘する!!
『――――ズゴー!!』
レジェンド達によって仲間がやられてもその屍を乗り越え……あるいは、踏み越えながらザンギャックの部隊は挑んでくる。
だが――――
「「モモ、ゴレンジャーハリケーンだ!!/ビーック、ボンバー!!」」
地球を護ってきたレジェンド達は怯むことなく、アカレンジャーとビッグワンが必殺技を放つべく、メンバーに告げる。
『いいわね? 行くわよ、ゴレンジャーハリケーン、キー!!/まかせんしゃい、ミドー!!/オーケー、アオ!!/オーライ、アカ!!』
『セット1!!/セット2!!/セット3!!/行くぞ、コンバイン!!――――ビッグワン!!』
「――――エンドボール!! 頼むぞ、ビッグワン!!」
「オーライ、ゴレンジャーハリケーン・ビーック、ボンバー!!」
かつて、ゴレンジャーハリケーンとジャッカーコバックが通じなかった四天王ロボを破壊するために使った必殺技が三十余年の時を超えて再び放たれる。
その威力は、かつての戦いの時と勝るとも劣らない!!
そんな先輩たちの勇姿をみて、他のスーパー戦隊も各々の合体技を発動させる。
『ズゴ~!!』
これらの強力な技の前にザンギャックの部隊は耐え切れずに爆発する。
一方、レジェンド達の援護に来た戦士たちもザンギャックと戦っていた。
ザンギャックも必死に戦うが――――
「「ジックキャノン、ファイヤー!!/スピンドルキャノン!!」」
『ビートルブレイク!!/レイジングスラッシュ!!/トルネードスパーク!!』
『ライザーブラスト!!/グラビティクラッシュ!!/クロスウェイスライサー!!』
『ドラゴンフライング!!/ライトニングキャノン!!/リンガーソード!!/ビームシャワー!!』
メタルヒーローの必殺技が次々と放たれて吹き飛び、爆発する。
「「本官の許可なく、地球侵略など絶対に許さん!!/――――黒の一撃!!」」
シグナルマンは万能ツール・シグナイザーで、黒騎士ヒュウガはブルライアットを用いて斬撃を放ち
「「烈火大斬刀、百火繚乱!!/ベガインパルス!!」」
それに続く形で女シンケンレッドとデカマスターの超必殺の斬撃がザンギャックの部隊に襲い掛かる。
残ったザンギャックの部隊も他のメンバーにやられていく。
だが、最後の悪足掻きとでもいうのか捨て身で一人のズゴーミンがブルービートに向けて突貫してくるが――――
「――――邪甲!!」
その叫び声と共に紫色のエネルギー弾がズゴーミンに当たり、爆発させる。
―――――コツ、コツ、コツ、コツ!!
そんな足音と共に、シャドームーン同様、悪でありながら誇り高き戦士――――ブルービートの影・ブラックビートが姿を現した!!
「――――ブラック、ビート…なのか?」
「何を呆けている、ブルービート。さっさと、こいつらを片付けるぞ」
そう告げると、ブラックビートはスティンガービュートを構えてザンギャックの部隊に突っ込んでいく!!
歴代のレジェンド達の必殺技がザンギャックの部隊の大半を壊滅させた時――――
「「――――ムッ、アレは!?」」
アカレンジャー、仮面ライダー1号が空中に目を向けるとザンギャックの空中母艦からズゴーミン達とは桁違いのビームが放たれる。
『ウワァァァ――――!!』
そのビームの前には、さしものレジェンド達も直撃を喰らってしまう。
連戦に続く連戦、更には必殺技を発動させて疲労が蓄積された時の追撃!!
もはや、これまでかと思われた時、レジェンド達が戦っている場に一人の少年が現れる。
少年の名は風太郎――――またの名をゴッドパワーアニマル・ガオゴッド!!
彼の体が光に包まれ、五つの光球に変わり、ゴッドパワーアニマルが現れ、合体してガオゴッドが降臨し、
「――――天誅、パワーアロー!!」
パワーボウから放たれた光の矢がザンギャックの空中戦艦を貫く!!
「「「「「「――――ガオゴッド!!/千年の友!!」」」」」」
心強い援軍にガオレンジャー達がガオゴッドの名を叫ぶ。
「――――地球を護ってきた戦士たちよ、お前達だけに命を懸けさせはしない」
そんな彼らに返答を返すガオゴッド。
「この星の生きとし生ける命を守るために、世界中のパワーアニマルたちも再び集結した」
「「「「「「――――えっ!?」」」」」」
ガオゴッドの言葉に驚き、上空を見上げるとかつてのセンキとの最終決戦で一度だけ集結した世界中のパワーアニマルたちの姿があった!!
そう、百獣の名の如く、百体のパワーアニマルの姿が!!
それを見たガオレンジャー達は、獣皇剣とガオハスラーロッドを構えて
『よし、皆行くぜ!! ――――森羅万象・天地轟鳴・百獣アニマルハート!!』
百体のパワーアニマルと共にガオソウルを一斉にザンギャックの空中戦艦に放つ。
「――――神獣、荒神剣!!」
それに続く形でガオゴッドも必殺の斬撃を解き放つ!!
正しく、人だけでなく地球の全てを結集させて放たれた攻撃にザンギャックの部隊は壊滅した……かに見えた。
『――――何!?』
空間が歪み、そこから出てきたのは、青い大空を覆い尽くす程のザンギャックの空中戦艦の部隊!!
そこから放たれた一斉のビームを受け、ガオソウルと必殺技を放った後で消耗したガオゴッドとパワーアニマル達は吹き飛ばされる。
それを見て、アカレンジャーと仮面ライダー1号は
「「こうなったら、止むを得ん……皆!!」」
ある決断を下し、レジェンド達を集合させる。
「「――――我々レジェンド全員の力を結集して、地球を護るぞ!!」」
『――――おお!!』
アカレンジャーと仮面ライダー1号のその言葉に躊躇うことなく、返答を返すレジェンド達!!
彼らが持つ力には、仲間と出会えた絆、自身の使命を果たすためという特殊な意味を持っている。
それを失うかもしれないのに、彼らは躊躇わずに決断した。
全てはこの命溢れる星――――地球を護るために!!
レジェンド達の力が光となり、アカレンジャーと仮面ライダー1号に集まる。
その光は、サポートに来ていた戦士たちの目にも見えていた。
「――――皆、我々も地球を護るために!!」
ジャンパーソンの言葉と共にサポート戦士たちも力を開放させる!!
それらの力を託されたアカレンジャーと仮面ライダー1号は、ザンギャックの空中戦艦の部隊へ突撃し
「「――――ゴー!!」」
それらの力を一斉に掛け声と共に解放した!!
その力は瞬く間にザンギャックの空中戦艦の部隊を壊滅させて行く。
そして、レジェンド達の力が大空から宇宙(そら)へと散ばろうとした時
『――――デュワ!!』
大神龍との戦いで負傷しながらも地球にウルトラ兄弟が到着した!!
「――――これは!? 地球のレジェンド達の力が宇宙へ散ばろうとしている!!」
「いかん!! ザンギャックは確かに帝国の大半を送り込んではいるが、未だ皇帝直属の戦力は送られていない。
それなのに、レジェンド達が力を失えば、地球は対抗する術を失う」
「――――ゾフィー兄さん、レジェンド達の力を残し、ザンギャックの地球侵略を遅らせるためには……あの技を使うしかありません!!」
「――――ファイナル、クロスシールド」
「しかし、その技を使えばUキラーザウルスの時のように変身能力は失われてしまう」
「……やりましょう、ゾフィー兄さん。 我々が……そして、地球のレジェンド達が命懸けで護り、愛したこの星の為に」
弟たちの言葉にウルトラ兄弟のまとめ役であるゾフィーは……静かに肯定した。
『――――デュワ!!』
ゾフィー、ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラ、80は地球を囲むように配置につき、自分たちの変身能力を代償に膨大な光エネルギーを放出する!!
それは宇宙へと散ろうとしていたレジェンド達の力を、一部を除いて、地球へと押し戻し、光の結界を地球に展開させた!!
それが終わった時、宇宙には光の超人であるウルトラマン達の姿は消えていた。
この日を境に、地球を護ってきたレジェンド達は表舞台から姿を消した……そして、時は流れ――――