2009年11月17日

10月29日サンケイスポーツ記事について

平素は弊協会「男子体操オフィシャルブログ」への温かなご支援、
選手への激励のメッセージをはじめ、多数の貴重なご意見を頂戴
いたしましして、心から厚く御礼を申し上げます。

さて、この度、10月29日付でサンケイスポーツから発信されました
記事について、体操界を統括する弊協会の幹部がフィギュアスケート
の浅田真央選手を引き合いに発した心無いコメントによって、フィギュア
スケートファン、体操ファンをはじめ、多くの方々に不信を抱かせる
結果を招いてしまいました。

この記事の真偽のほどや発言の経緯は私のもとまで伝わってきて
おりませんが、これが事実なら、私も日本体操協会の関係者の一人
として絶対に有ってはならない発言として心に重く受け止め、この場を
お借りして深くお詫び申し上げます。

この件は、私から弊協会の上層に直ちに報告いたしました。
そして、後日の会議の席上では、過去の経緯も相俟って、全役員に
発言への厳重注意が上層より喚起されました。
今回のこの無神経な発言は、弊協会としての総意ではなく、一個人が
発した事として、とくに協会として公式見解は示す必要はないとする
上層の判断で今日まで来てしまっています。

しかし、あの記事を読んだ方々は、当然、良い印象を抱きません。
一方、毎日手弁当で、体操競技の普及発展を心から願って取り組
んでいる全国体操関係者の努力に対して、一瞬にして水を注して
しまう発言内容です。

今回のkaori様の投稿によって、当ブログを運営する責任者として、
体操関係者として何らかの意思を示し、これを一区切りとして次に
ステップアップしていきたいと考えました。
  
今回の無神経発言によって、浅田真央選手のみならず、鶴見選手も
とばっちりを受けたようなものです。

世界で活躍するには、日頃の並々ならぬ努力が物を言い、栄光を
勝ち得るまでの辛さは、誰よりも鶴見選手がよく解かっています。
よって、鶴見選手が同じ境遇にある選手の批判などするはずも
ありませんし、この記事を読んだ鶴見選手も相当なショックを受けた
ことと思います。
今回の件、鶴見選手にはまったく非はありませんので、どうか皆様には、
鶴見選手に対する誤解や悪印象を抱かれないようお願い申し上げます。

そして、フィギュアスケート選手の皆様には、是非、次の桧舞台でも
日の丸を高々と揚げていただくことを期待して止みません。 

併せて、今後とも男子体操オフィシャルブログを通して、是非、
体操競技選手に対して元気と勇気をいただけますよう心からお願い
申し上げます。

            財団法人日本体操協会事業委員長 佐久間裕司

※Kaori様、大事なことを勇気をもってご意見して下さったことに、心から
  感謝申し上げます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10月28日、世界体操の祝勝会が都内のホテルで盛大に行われました。
私自身は仕事の都合で参加できませんでしたが、素晴らしい祝勝会
だったとの知らせを受けておりました。

大会時は、一般紙スポーツ紙すべてをチェックしていますが、
祝勝会に関しては良い評判を耳にしていたのでまず問題はないと、
翌29日の朝は数紙に目を通しただけでした。

その矢先に投稿された、一件のコメント。
驚き、すぐに記事を確認しました。
いただいたコメントどおりの、ショッキングな内容でした。

欠席していたため、状況がわかりません。
まず、事務局に問い合わせました。
同時に、所属長である佐久間事業委員長には、上層へ真偽のほどを
確認する働きかけをしてほしい旨要望いたしました。
記事の内容が真であれば協会内での対処が偽であれば報道側への
抗議がきちんとなされると、ファンの皆様と共に願ったからです。
また真偽にかかわらず、お騒がせしたファンの皆様と日本スケート連盟
には当然謝罪があるものと思っておりました。

以上のように、kaori様からコメントをいただいて、その日のうちにでき得る
限りの対応を早急に行いました。
しかし現実は、大きな日本体操協会という組織において、新入りで
何の権限も持ち得ない協会底辺層の一委員の身です。
思いは伝えさせていただきましたが、その後はkaori様はじめファンの
皆様と一緒に、ただただ回答を待つ以外ございませんでした。

その間、「火織さん、どうか・・・」と編集員の私の名前を挙げてまで
訴えてくださった声は常に心から離れませんでした。
何もできないことがもどかしくて、常に申し訳ない気持ちで過ごしました。

結果として、佐久間委員長の報告にありますように、公式見解は
示されないとの通達がありました。
佐久間委員長と、肩を落としました。

しかし、私も感情を持った人間です。
公式見解がないからといって、このようなコメントを無視したまま、明るく
楽しい話題だけ提供していくことなど到底できません。
ブログを預かる担当者として、何より人として、最低限の誠意だけは
示さねばと佐久間委員長に胸のうちを明かしました。

「協会が本来対応すべき内容は書けなくても、何とかメッセージを発信
しましょう。ここでけじめをつけなければ、ファンも火織さんも心が晴れ
ませんよね。」

佐久間委員長は率先して矢面に立つことを決意され、冒頭のお詫びに
至ります。
真相究明がなされず残念な気持ちは消えませんが、このように誠意ある
上司のもとで活動させていただいている誇りもここに書き添えます。

繰り返しになりますが、このたびは多くの皆様に不快な思いを抱かせ、
日本スケート連盟様、浅田真央選手、鶴見虹子選手に多大なご迷惑を
おかけしましたことを衷心よりお詫び申し上げます。
また、私自身も力が及ばず本当に申し訳ございませんでした。

至らないお詫びではございますが、この掲載を機に、私も気持ちを
切り替えて作業に臨みます。

今後とも、皆様からは忌憚なきご意見をお寄せいただきますよう、また
体操競技の発展のためにご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い
申し上げます。

          財団法人日本体操協会事業委員会/総務委員会
                                  田村 火織

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  • 体操

posted by 佐久間裕司/田村火織 |05:13 | その他 |
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この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
10月29日サンケイスポーツ記事について

コメント投稿者ID :

発言した人物の処罰も厳重にすべきです。
私は体操競技に携わってきたものですが、ああいった発言は競技自体のみならず、スポーツ全体を愚弄する意図があるとしか思えません。
意図せずにいたというのは、「大きな問題にはならないだろう」という意味ですよね?
競技そのものに対する姿勢や本音としては、発言の通りだと思います。
そのこと自体が問題なのです。
誰かに迷惑をかけたことではなく、競技を愚弄した関係者には、二度と体操競技に関わりを持って欲しくないです。


posted by 本心ならば | 2009-12-24 14:18

10月29日サンケイスポーツ記事について

コメント投稿者ID :

私は、不快な思いをした一人です。
確かに浅田選手を傷つける気持ちは無かったにしろ、体操選手とフィギュアスケートって同じ種目でもないのに、デリカシーに欠けると強く思います。

心無い方の失言なのかもしれませんが、やはりこれから体操競技を見る気をなくしました。

posted by 岡田 さとみ | 2009-12-23 00:03

10月29日サンケイスポーツ記事について

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佐久間さん、田村さんの勇気ある謝罪、とても嬉しく思いました。
発言者の謝罪が一番欲しかったとはいえ、こういう「まっとうな」方達がいてくださることに、ホッとした次第です。

ご存知の通り、フィギュアスケートの選手達にとってはバンクーバーに向けての非常に大切な時期です。今後も配慮ある発言を心がけていただきますよう、お願いもうしあげます。

posted by フィギュアの星 | 2009-12-21 13:06

10月29日サンケイスポーツ記事について

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私は体操競技、フィギュアスケート、とちらも好きで現地観戦していますが、今回の記事を読んで、正直、言った人は何でこんなコメントをしたんだろう、書いた記者も何でこんな風に見出しに載せたりするんだろうと思いましたが、虹子ちゃんに対して嫌な感情を持つ事はありませんでしたよ。
今日初めてこのブログを知るまで、そんな風に一部で騒ぎになっているとは全く考えもしませんでした。
いつまでもYAHOO!のスポーツニュースに載っているのは気にはなりますが…。
虹子ちゃんには気にせず伸び伸びと演技して欲しいです。

posted by yukiko | 2009-11-20 01:41

10月29日サンケイスポーツ記事について

コメント投稿者ID :

佐久間様、火織様、今回は一ファンの書き込みに誠実に対処していただいてありがとうございました。
このような大事になって正直驚きました(汗)

あの時期、大技にチャレンジすることで成績を残せなかった真央選手にマスコミからは心無い非難が浴びせかけられており、
ファンは皆、本当に本当に悔しい思いをしていました。
眠れない毎日をおくった方もいると聞いています。
そんな中のあの発言で、
虹子ちゃんの銅メダルを心から喜んでいた私は
本当に哀しい気持ちになりました。

フィギュアも体操も同じ採点競技です。
体操ではフィギュアのようなあいまいなジャッジはありませんが、今、フィギュアは
不可解なジャッジによって日本選手が非常に苦しい状態に立たされているのです。
そんな中、女子の限界を超えるような技に挑戦し続ける真央選手に、今回発言された幹部の方もどうぞ、敬意をはらってあげてほしいと思うのです。
今回の世界選手権の跳馬でリ・セガン選手が大技に挑み失敗しました。
しかし、このような失敗の上に、競技の進歩があると思うのです。

火織さん、今回はご尽力ありがとうございました。
週末、全日本も見に行きますので、
選手の皆さんがそれぞれの戦い方で結果を残されることをお祈りしています。

posted by kaori | 2009-11-18 23:31

10月29日サンケイスポーツ記事について

コメント投稿者ID :

サンケイですからねー。

でも、他の競技の選手を引き合いに出すのはおかしい事ですね。
特に今は、浅田選手はマスコミから良い報道されません。
この話は、マスコミにとってはさぞかし美味しかったでしょう。
記事を見て、私は涙が出そうになりました。

鶴見選手は、本当に巻き添えにあって可哀想ですが。

色んな闘い方があっていいはず。
非難は誰にも出来ないはずです。

posted by なるほど | 2009-11-18 23:10

10月29日サンケイスポーツ記事について

コメント投稿者ID :

私は読んで特に何も不快な思いをしませんでしたよ??
マスゴミなんて所詮このレベル。
どんな作戦がいいのかなんて誰にもわかりません。
外はうるさいものです。
結果も欲しいですが、自身が満足できる演技をしてもらえればと思います。

体操協会の皆様方には「マスゴミから選手を守っていただけますよう」宜しくお願い致します。

posted by ● | 2009-11-18 13:43

ありがとうございます

コメント投稿者ID :

日本体操協会は古い隠蔽体質の人間ばかりだと思っていました。佐久間様、田村様のような考えの方がいることを、地方で体操を指導する者として非常にうれしく感じました。名乗らない発言者に比べ、非のないお二方が勇気ある行動に出て下ったこと、感動しました。
これからもがんばってくださいね。心のこもった文章をありがとうございました。

posted by 地方の教師 | 2009-11-18 10:21