長崎大と福島県立医科大は8日、福島県立医科大副学長への就任が内定していた長崎大大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一教授(59)が、15日付で就任すると発表した。山下教授は福島第1原発事故を受け、同県に請われて現地入りし、放射線健康管理リスクアドバイザーも務めている。今回、長崎大の同研究科長を15日から休職し、同医科大へ出向、常勤の特命教授となる。同県民約202万人を対象に実施する被ばく線量調査や健康管理で中心的な役割を担い、被ばく医療の人材育成にあたる。
片峰茂・長崎大学長は8日の会見で「本大学の被ばく医療の絶対的リーダーを出向させることは痛いが、長崎・広島が六十数年間研究、蓄積してきたものを福島で生かすことは科学者として当然。大学を挙げて支援していく」と話した。【蒲原明佳】
〔長崎版〕
毎日新聞 2011年7月9日 地方版