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福島第1原発:放射能全国ネット 全国のお母さんら連帯

 福島第1原発事故で、放射性物質の子供への影響を心配する母親の不安を解消しようと、情報を共有する全国ネットワークが有志の市民で設立される。12日に東京都千代田区の全電通労働会館で設立集会を開き「行政の対応を待たず、自分たちの力で子供を守ろう」と呼び掛ける。

 設立のきっかけを作ったのは、86年に原発事故が起きたチェルノブイリの子供の療養を支援するNPO法人代表、野呂美加さん。野呂さんは福島の原発事故以降「子供への放射線の影響」について各地で講演を続けている。食物や遊び場の安全性について不安なまま声を上げられなかったり、どう行動すべきか分からなくなっている母親が多いことに気付いた。

 一方で、自分たちで情報を集め、国や行政に意見する団体も散らばって存在することから「みんながつながれば大きなうねりになるのでは」と顔見知りの母親らに提案、ネット作りが始まった。活動が本格化したのは7月からだが、既に賛同人は400人を超え、登録団体も60近くになっている。

 ネットワークでは当面、空間や食物の放射線量を独自に測定するなど、既に各地で活動している団体の情報を集約。長期的な健康被害が懸念される内部被ばくを防ぐ方法や考え方を伝えたり、国や行政に対する個人の声をすくい上げ、陳情などの形で意思表示していく。また、避難場所を見つけられない人へ受け入れ先をあっせんすることも検討中だ。

 呼び掛け人の一人、井寺喜香さん(39)は「事故の影響で、母親らの放射線への関心は高まっている。この時代を生き抜く『知恵袋』みたいな存在になりたい」と話している。集会は12日午後1時半から、先着420人で申し込みはホームページ(http://kodomozenkoku.com/)で。【高橋慶浩】

毎日新聞 2011年7月9日 11時39分(最終更新 7月9日 12時33分)

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