小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい (1)
中経出版 竹田陽一
・ まず第1段階として、お客と接触するところでお客に不便をかけないようにしなければなりません。第2段階
  は、商品の注文があったり送金があったときは、お客に感謝を態度で示し、お客から好かれて気に入られ
  るようにします。第3段階は、定期的にはがきを出して、お客から忘れられないようにします。第4段階は、
  お客が思っていること以上の「何か」を実行して、お客に心から喜ばれたり感謝されるようにするのです。
  このように感謝の気持ちをお客に伝えるコミュニケーションを、私は「感謝コミ」と呼んで、あちこちで講演
  してきました。

・ きちんと実行するには、当然実行するときに欠かせない仕組み作りと、従業員教育の2つが必要になります。

・ 顧客対応に特別力を入れ、お客の評判で地元ナンバーワンになれば、お客の流出が少なくなるからです。
  そればかりか顧客対応で地元ナンバーワンになれば、お客の紹介によって新しいお客が増えていきます
  から売上げが上がります。

・ 経営に失敗しないためには「競争相手はどうしているか」という競争相手の情報を集めるのはもちろんの
  こと、競争相手とあなたの会社の真の力関係は「何対何」になるかについて考える、「競観発想」が必要に
  なります。

・ 経営要因のウエイト付け
  @営業関連(地域、客層、営業方法、顧客維持)・・・・・53%
  A商品関連(有料サービス) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27%
  B組織関連 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13%
  C資金関連 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7%

・ 経営規模が小さな会社の廃業率が特別高くなっているのは、53%を占める営業関連が弱いからなのです。
  さらに営業関連と商品関連の2つを加えて「お客作り関連」とすると「80%」になります。次に組織関連と
  資金関連の2つを加えて「内部関連」とすると「20%」になります。つまりお客作り関連と内部関連は「4対1
  になるのですから、業績を良くするにはなんとしても「4」のほうの、お客作り関連を強くしなければならない
  のです。

・ 競争相手以上にお客から好かれ、競争相手以上にお客から気に入られ、競争相手以上にお客から忘れら
  れないようにしなければなりません。こうすることが一度作ったお客を失わないための、顧客対応になります。

・ 女性が決定権者の場合に、お客に親切にしたり、お客が思っていること以上の何らかのサービスや応対
  に特別力を入れて実行すると、感覚能力が高いだけに女性客からは好かれて気に入れらるようになるの
  です。

・ もともと経営力が弱い会社が多い従業員30人以下の会社が生きていくためには、まずお客と接するところ
  の触角を敏感にし、次にお客を探し出すために、全力で取り組まなければなりません。

・ 「お客の数を多くする」ためには、新規のお客を作ることと、今までのお客を失わないようにする、2つの作業
  が必要になります。不景気が続いている関係で、新しいお客を作るのがとても難しくなっている状況下にあっ
  ては、まずお客の流出率を低くすることが一番経済的でしかも一番確実な方法といえます。

・ お客と「直接接触するところ」でお客に不便をかけていないかの点検から始めましょう。点検する対象は次の
  ようになります。
  @名刺
  A封筒
  B電話の受け方
  CFAXの受信と送信
  Dカタログやリーフレットの印刷  
  この5つが、お客に感謝の気持ちを伝える「感謝コミ」に欠かせないツールになります。

・ 名刺はミニカタログ---お客に便利な工夫を
  @電話番号・FAX番号の文字は大きくする
   老眼が進んでいる人やもともと視力が弱い人に、不便をかけてはなりません。こうした不便は必ず「不満」
   へとエスカレートしますから、用心しなければなりません。あまり大き過ぎてもいけません。ほどほどの見や
   すい字の大きさが一番いいのです。
  A会社や店舗の所在地の文字は大きめ
  B場所がわかるよう「目標物」を印刷する
   あなたの会社に、お客のほうから来てくださるのはとてもうれしいことです。そのお客に道を迷わせてイラ
   イラさせた上に、時間のロスをさせてはなりません。でも目標物を印刷している会社はめったに見ませ
   んね。だからいいのです。
  C郵便番号を必ず入れる
  D公職や名誉職を社名の前に印刷しない
  E経営理念地域貢献など主義や主張を印刷しない。
  F人生の主義や主張を印刷しない。
  G似顔絵を印刷するか写真のシールをはる
  H白地にタテ組印刷の名刺も作っておく
  I代議士型の名刺は使わない
  J大版の名刺は作らない
  K名刺の色は奇抜にしない

・ 封筒もミニカタログ---お客に印象づけよ
  @定型封筒は似顔絵で差別化を
   定型封筒の一番下の部分には、8o〜9oの間隔で「3本〜4本」の線を引いておくと、何かを送ったとき
   簡単なメッセージが書けますからとても便利です。人は「人の顔」に対して、普通使われている文字よりも
   とても高い関心を示しますから、マークよりも社長の似顔絵を印刷しておくほうがお客から忘れられなく
   なる率が高くなります。
  A大型封筒にはお客に役立つ情報を印刷

・ 電話対応の原則---お客の立場に立って応対せよ
  @回線を増やして話し中を少なくする
   電話の話し中が多いということは見方を変えると、「何千円か何万円」、場合によっては「何十万」の注文
   をしようとしている人に対して、「いや、私の会社は注文などいりません」と言って断っているのと同じにな
   ります。電話回線は多めに引き、1回線はいつもお客のためにあけておくようにすべきです。
  A電話を取ったとき、2秒おいて社名を言う
   耳が慣れる「2秒の間」に、前置きの言葉を入れればいいのです。
  B電話の取り次ぎでお客に手間をかけない
   社長がいれば、相手を確かめたり用件を聞かず、「社長電話です」と言って電話を回します。こうすると
   お客から見れば、ムダな時間がなくなりますからとても都合がいいのです。  
  Cまず古参の社員から電話を取る
   本当の仕事といえるのは「お客活動」だけです。そのお客活動のレベルを高めてお客の流出を少なく
   するには、お客の事情を知っている、「古参の社員」から電話を取るようにすべきです。
  D取引がないお客からの問い合わせに応対するコツ
   相手の質問に対して「会社名も個人名」も一切聞かず、「お問い合わせ、ありがとうございます。それは
   こうでございます。ああでございます」と答えます。そのあと別のことを聞かれたら「はい。それはこのよう
   になっています」と親切心を持ち、しかもテキパキ答えます。もし取引ができていれば「数万円、数十万円」
   になるかもわからない大事なお客を、ヘタな電話応対で追い払っていたのでは業績が良くなる見込みは
   全くありません。ほんのちょったした、小さなきっかけを生かしてお客を作っていく熱心さが欠かせないの
   です。
  Eお客に社長や社員の行動を正しく知らせる
   社長は自分の行動予定を内勤者にきちんと知らせておかなければなりません。社長に対して電話があっ
   たら、ただ「出ています」とするのではなく、差しつかえない範囲で「ありのまま」を伝えるようにするほうが
   いいのです。
  F不在時の電話は必ずメモに残す
   忙しい中、暇つぶしのために電話をしてくる人はいないのですから、たとえ相手が「またします」と言ったと
   しても必ず「○○産業の○○社長より電話あり」と、メモに残しておくべきです。
  Gお客からの電話は会議中でも取り次ぐ   
   会議で「いかにして売上げを上げるか」を話し合っていながら、お客からの電話と取り次ぎがないというの
   は、考えてみればおかしな話です。
  H性能が悪いコードレス電話は使わない
  I大企業と同じ電話対応をしない

・ FAX応対の原則---営業ツールと考えよ
  @FAXを増やして使用中を少なくする
   FAXの使用中を減らすにはFAXを2台にし、1台目を「代表制」にしておくといいのです。こうすると親番
   が使用中でしたら、自動的に2台目に流れますから使用中がグンと少なくなります。直接粗利益を生ま
   ないところへの資金配分は大いに節約したり「カット」すべきですが、経営の源に当たるお客と直接接触
   するところへの資金配分は、決して節約してはならないのです。
  AFAXと電話は兼用しない
  B送信したFAXの状態をチェックする
  C親しみやすいFAX用紙を何種類か準備する
   FAX用紙の上か下かどちらかのスミに、季節に合わせて花や風景のイラストを印刷します。そして9o
   〜10o間隔で点線を引いておくと、とても書きやすくなります。これも季節に合わせて、10種類は必要
   でしょう。
  DFAXした文書を郵送する
   カタログや大事な書類をFAXしたとき、原本をあらためて郵便で送ることになります。「先般○○について
   FAXをしましたが、FAXではどうしても見にくくなりますので、念のために原本を同封致します」と一筆書い
   て郵便で送れば万全といえます。
 
・ カタログはあくまでも商品を買う側にとって役立つ情報や効用を、お客の立場に立ってわかりやすく書くの
  が原則になります。同じく、買ったものがうまく働かないときはどうするかなど、お客の不安を取り除く文章
  をより多く記入すべきなのです。それとともに忘れてならないのが、電話番号とFAX番号です。電話番号
  をあちこち探さないでいいように、1〜2ページごとに電話番号を記入しておくべきです。

・ 「ウチの業種は特別だ」というのではなく、「同業者の中で一番良いやり方」を考えて実行することが大事に
  なるのです。お客に不便をかけてイヤな思いをさせないようにするには、まず、お客の立場から見るとどこ
  が不便で、どこがイヤな思いをする対象になるか、これらを洗いざらい書き出します。

・ 感謝を態度や実行で示すと、お客から「好かれて気に入られる」ようになりますから、まずお客の流出率が
  低下します。次にこれまで競争相手に流れていた注文の一部も、あなたの会社やあなたの店に来るよう
  になります。こうすれば必ず業績が良くなります。

・ 文明が進んだ今は、顔コミ以外に「電話コミ、FAXコミ、メールコミ、はがきコミ、ギフトコミ」など何種類も
  あります。

・ 「訪問面会件数7割に、販売技術3割」になります。営業マン個人の販売力を高めるには、まず訪問面会
  件数を同業の営業マンよりも多くし、そのあと質を高めればいいのです。これと同じように会社全体の販売
  力を高めるには、まず面会を同じ役目をする「コミ」の投入数を、同業の平均より「2倍〜3倍」多くします。
  これがきちんと定着したあと、次にコミの中身を良くすればいいのです。

・ まずコミの投入量そのものを多くし、それが完全に実行できるようになってから質を考えるのが正しい手順
  となります。

・ 競争相手よりもお客から好かれて気に入られるようになるにはもう一段上の、報いを求めない「感謝コミ
  の実行が必要になります。その日のうちに「お礼のはがき」を出すのです。お礼のはがきが来たら、お客
  の立場からするとうれしく感じるとともに、万一商品に不具合があってもすぐに直してくれるだとうと安心し
  ますから、これは価値が高い感謝のはがきになります。

・ 電話、FAX、電子メール、はがきなどを使い、感謝の心を「メッセージ」によって伝えるコミュニケーションの
  ことを「感謝コミ」と呼びます。

・ 経営の本質は新しいお客を作ることや、一度取引してもらったお客を維持することにあるのですから、報連
  を実行するときの1番目の対象は「お客」でなければなりません。

・ 感謝のはがきは出されているのか?
  調査した業種全体を平均すると、「感謝を態度で示している会社や商店」はおよそ「3%」ほどしかなく、
  「97%」はお客から商品を買ってもらったり銀行送金をしてもらっていながら、やるべきことをやっていな
  かったのです。
(2)へ
サムライネットふくしま