2011年7月9日9時26分
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開問題を抱える佐賀県の古川康知事に対し、九電の歴代の佐賀支店長(現佐賀支社長)や玄海原発所長らが個人献金をしていたことが、古川知事の政治団体の政治資金収支報告書で分かった。献金額は役職の位に比例し、異動後も後任が同額の献金を引き継いでいた。
政治団体の「康友会」と「古川康後援会」の収支報告書(2006〜09年分)によると、九電幹部から4年間に計42万円の献金を受けていた。献金者は歴代の佐賀支店長と玄海原発所長を含む7人。このうち佐賀支店長と玄海原発所長は、それぞれ年3万円を献金し、異動後も後任が同額の献金を続けている。現副社長(元佐賀支店長)は07〜09年に年5万円、同原発第二所長も06〜07年に年1万5千円を献金していた。
電力会社は地域独占の立場を踏まえて企業献金を自粛している。九電も石油危機で大幅値上げした74年以降は自粛。だが、00年代には、子会社による自民党の政治資金団体への献金や、役員による前福岡県知事への組織的とみられる個人献金が発覚し問題視された。
九電幹部の個人献金について、九電社長室報道グループは「献金は各個人の信念に基づいて行っていると認識している。会社として関知していない」、古川康事務所の鶴丸岩男所長も「後援会活動を支援しようという県民個人の寄付と認識している」と説明する。 古川知事は玄海2、3号機の運転再開を巡り、6月29日に来県した海江田万里経済産業相と会談して「安全性の確認はクリアできた」と明言している。(波多野陽、岩田正洋)
世界では急伸する自然エネルギー。日本では発電量の1%に抑えられている。原発と並ぶ選択肢と見なされてこなかった背景は?今後の可能性は?