原子力発電所の再稼働問題をめぐり、枝野幸男官房長官と海江田万里経済産業相、細野豪志原発担当相は8日、安全性評価(ストレステスト)を含む原発の新たな安全確認手順の統一見解づくりを進めた。3閣僚は新手順を原発再稼働の前提とすることで一致したが、具体的内容を含んだ統一見解は11日にも公表する方向だ。
原発再稼働に向け、新たな安全確認基準を前提条件と位置づけるという首相の意向を受け、海江田氏は今月6日にストレステストの実施を発表。九州電力玄海原発を抱える佐賀県玄海町から「いったん再稼働を容認したのに、なぜ今になってストレステストなのか」との批判が巻き起こったため、同テストを含む新手順の統一見解づくりを迫られていた。
枝野氏ら3閣僚は8日の協議で、統一見解には「ストレステストの結果を地元自治体に示して再稼働への同意を求める」ことを盛り込むことにした。欧州のストレステストを参考に日本版を作成し、定期検査で運転停止中の全原発に適用することでも一致した。日本版の具体的な内容は経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会が今後協議する。