南スーダン独立…中国、式典に閣僚を派遣「新旧の友人と付き合う」

　南部スーダンが9日、「南スーダン共和国」として分離独立する。中国は長期にわたってスーダン政府（北部）を支持しているが、石油や農業資源の豊富な南スーダンとも良好な関係を築きたい考えで、独立式典には胡錦濤国家主席の特使として閣僚を派遣する。中国政府アフリカ事務特別代表の劉貴今氏は、「古い友人とも新しい友人ともバランスをとって付き合いたい」と述べた。

　中国外交部の洪磊報道官はこのほど、9日にジュバで開かれる独立式典に、住宅都市農村建設部の姜偉新部長（建設相）が胡錦濤国家主席の特使として出席すると発表した。

　中国は政治、軍事、経済面で長期にわたってスーダン政府を支持しており、スーダン最大の投資国となっている。また主要な貿易相手国で原油を輸入しているが、スーダンでは石油精製施設やパイプライン、輸出港は北部が所有し、油田の4分の3は南部に集中していることから、南北双方との関係を両立させたい考えだ。

　8日付の上海市党委員会機関紙、解放日報は、「古い友人を忘れず、新しい友人とも付き合う」との見出しで、中国政府アフリカ事務特別代表の劉貴今氏のインタビュー記事を掲載した。

　記事によると劉特別代表は、「我々は南スーダンの独立についてスーダン国民の選択を尊重する」と述べ、胡主席の特使が独立式典に出席し、国交樹立文書に調印することを明らかにした。

　ダルフール紛争などで国際的な批判の強いスーダンのバシル大統領が先月末、南スーダンの独立を前に訪中したことについては、「新しい情勢下でいかに協力関係を強化していくかを話し合った」と述べた。またダルフール問題や南北スーダン問題について幅広い意見交換を行い、和解と対話を勧めたという。「中国の働きかけは南部の独立と、南北問題の平和解決に向けてプラスの役割を果たした。これは国際社会、国連、アフリカ連合（AU）の方向性と一致する」と主張した。

　劉特別代表は、「中国はバランスをとって南北双方に対応するという原則を守り、一方の肩を持つことはしない。北部の古い友人とも、南部の新しい友人とも付き合う。また南スーダンの発展と再建に参加し、中国企業が南スーダンに投資を行うことを奨励する」と述べた。

　また「中国はスーダンの安定と発展のために少なからぬ貢献をしてきており、米国などもこれを認めている」、「スーダン問題における中国の働きはプラスで建設的」と中国の役割を強調した。（編集担当：阪本佳代）

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