政治【原発再起動】ストレステスト、玄海原発で先行実施へ 首相は当初難色 2011.7.9 01:11

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【原発再起動】
ストレステスト、玄海原発で先行実施へ 首相は当初難色 

2011.7.9 01:11
九州電力玄海原発2号機(手前)と3号機

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九州電力玄海原発2号機(手前)と3号機

 政府が全国の原子力発電所で安全性を総合評価するストレステスト(耐性検査)実施を決めたことによる混乱を受け、海江田万里経済産業相、枝野幸男官房長官、細野豪志原発事故担当相は8日、2度にわたり協議を行い、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の2、3号機でストレステストを先行実施する方針をまとめた。比較的地元の理解を得ている玄海原発を先行稼働させることにより、来春に全原発が停止する事態を防ぐ狙いがある。

 枝野氏が8日午後、この方針を菅直人首相に提示したところ、首相は「再開ありきの出来レースになってしまう。他と同じようにやれ」と述べ、玄海原発を例外扱いすることに難色を示し、了承しなかった。

 このため、枝野氏は8日中の方針発表を見送り、説得を続けたところ、首相は同日夜になって方針を受け入れた。欧州のストレステストを参考にした追加策も検討しており、政府は11日に原発再稼働に関する統一見解を発表する予定。

 全原発に対するストレステスト実施は、首相が6日の衆院予算委員会で唐突に表明した。

 ただ、玄海原発に関しては海江田氏が6月29日に佐賀県を訪れ、地元自治体に「国が責任を持つ」と再稼働の受け入れを要請。これを受け、地元・玄海町の岸本英雄町長が九州電力に再稼働を了承した経緯もあり、佐賀県の古川康知事らは突然の方針転換に激しく反発していた。

 このため、閣僚や民主党執行部からも「ちぐはぐと言われても仕方がない」(岡田克也幹事長)など批判が続出していた。

 ストレステストは原発の周辺住民の不安を取り除く意味合いは大きいが、実施すれば現在点検中の原発の再稼働は大幅に遅れる。来春までにすべての原発が停止し、深刻な電力不足を招く恐れがある。

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