重油を搬送せよ!代替火力増強で“タンカー争奪戦”
産経新聞 7月7日(木)20時9分配信
電力各社が原発の代替として火力発電の増強を急ぐ中、東京電力は7日、燃料となる重油を国内で搬送するための専用タンカーを東日本大震災前の4隻から9隻へと増やしたことを明らかにした。十分な数のタンカーを確保できなければ火力増強に黄信号がともるためだ。国内のタンカー数は減少傾向で、船会社との新たな契約を目指す“タンカー争奪戦”が電力各社の経営課題となっている。
東電の5月の重油消費実績は、前年比63%増の16万8千キロリットルだった。7月には原発2基分に相当する220万キロワットを広野火力発電所(福島県広野町)の復旧で積み増す計画で、今後も重油依存を強める。
そのため、製油所から発電所まで重油を運ぶタンカーが必要だ。電力各社や石油元売り各社は船主と長期専用契約を結んで専用タンカーを運用。東電は主力の5千キロリットル級タンカーを震災前の3隻から6隻に増やし、3千キロリットル級を1隻から3隻にした。
東電がすばやく確保に動いた背景には、タンカー不足が深刻化する懸念もある。石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産会長)は「夏の電力需要に応える(重油)量は十分あるが、内航タンカーが足りるかという不安はある」と、用船調達に支障を来す可能性を示した。
国土交通省によると、国内の石油製品輸送量は、平成6年度の2億2800万キロリットルをピークに、21年度には6割の1億3500万キロリットルへ減少した。内需減退や共同輸送による効率化などが背景にあるが、環境への配慮から、電力業界が石油火力への依存度を減らしてきたことも大きい。
これに伴いタンカー数も減少。全国内航タンカー海運組合によると、電力用重油を運ぶ5千キロリットル級はかつて国内で50隻程度が航行していたが、今は31隻。「震災後の需要急増を受け業界内で8隻が新造中だが、完成は来年にずれ込む」(同組合)と頭を抱えている。
石油元売り幹部は「年度後半に向けタンカー需給がより逼迫(ひっぱく)する可能性がある」と指摘しており、電力各社は「現在の4隻態勢を増やそうと調整」(関西電力)と対応を急いでいる。
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最終更新:7月8日(金)10時26分
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