2011年7月6日10時10分
Q アニメーションが人気を集めているという話題をよく聞くよ。
A アニメはテレビ番組や映画として、幅広い層に受け入れられている。ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」のように、社会現象と呼ばれるほどブームになる作品もある。
最近は作品の舞台となった地域で、まちおこしに活用されるなど「観光資源」としても注目されている。
海外でも高く評価されていて、世界的に競争力のあるコンテンツ産業として期待が高まっているんだ。
Q 関連する業界の景気もいいのでは?
A そうとは言えないんだ。ヒットする作品は、全体のごく一部に過ぎない。内容について専門家の評価が高くても、人気が出ないまま消えていくものも多い。制作会社は規模が小さいところが大半で、倒産も目立っている。
Q 大変なんだね。
A 一見華やかそうでも市場規模は縮小傾向にあり、制作会社の収入も減っている。業界では「右肩下がりの時代になった」とも言われているんだ。
Q 市場規模はどのくらいあるの。
A メディア開発総研のまとめによると、制作費やDVDソフト販売などを合計した額は、1990年に1069億円だったものが年々増え続けていった。
2006年には2415億円とピークを迎え、「アニメバブル」とも指摘された。それが09年には1割減の2164億円になって、いまも伸び悩んでいる。
少子化やインターネットの違法配信など要因は様々だ。アニメ産業の状況は、これから日本が注力すべきだといわれるコンテンツ産業の厳しい経営環境を表している。
世界経済の牽引役を期待されるインドだが、放置される格差と政府の機能不全を理由に、持続的な発展に疑問を投げかける声も上がり始めた。