史上初！横審が“大関”魁皇を特別顕彰へ

　魁皇が横審を動かした。大相撲名古屋場所で史上最多の通算１０４５勝に挑む大関・魁皇（３８）＝友綱＝について横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長（８３）が６日、記録更新した場合に場所後の横審で特別顕彰の贈呈を議論する方針を明言した。過去、横審は大鵬、北の湖、千代の富士、白鵬の４人へ特別顕彰を贈呈しているが、すべて横綱で大関への贈呈は検討するだけで極めて異例。魁皇の大記録が角界のご意見番をも動かした形だ。

　千代の富士が樹立した不滅の１０４５勝まであと１勝に迫った魁皇に、思わぬところから特別顕彰を贈呈する方針が舞い込んできた。横審の鶴田委員長が「記録を更新すれば、場所後の横審で特別顕彰を贈呈するかどうかを諮る」と断言。最多勝利を更新した場合、場所後に開く２５日の横審で議論する考えを打ち出したのだ。

　横審は、名称からいうまでもなく横綱に関する委員会で、主に横綱昇進を答申する機関。鶴田委員長もこの点は理解しており「委員の中では『横審なのに大関を表彰する議論自体がおかしい』という意見もあると思う」と明かす。その上で「魁皇は別格。３８歳のここまで本当によく頑張ってきた。個人的には贈呈したい」と私見を披露。過去、横審の特別顕彰は、大鵬、北の湖、千代の富士、そして昨年６３連勝を達成した白鵬とすべて横綱。贈呈が決まれば、大関では初で、異例の栄誉となる。

　加えて鶴田委員長は「まずは協会が表彰しないといけない。これだけお客さんから拍手をもらっている魁皇の功績ははかりしれないよ。場所中に名古屋に行って理事長に話をする」と記録更新なら観戦予定の１０日目に、協会も表彰するよう理事長に直談判する意向。横審をも動かした魁皇。１０４５勝という記録が、いかに偉大かという証明でもある。