『なんかキンピカの機体です!キンピカのISが現れました!』
煽らないで下さい。
会場がざわついてるわー。
うわ笑っている奴多数。
ISのハイパーセンサーなめんなよ、顔見えてんだからな・・・
「う~ん、やっぱり目立つね、このカラーは」
「恥ずかしく…無いの?」
僕の横に居るせいで、同様に観客の視線に晒されている簪ちゃんは、ちょっと居心地が悪そうだ。
「いや、そんなには」
無事このアリーナに立つまでの苦労に比べれば、機体のカラーが百○でも気になりませんよ。
てかク○トロ大尉はこんなカラーのMSで戦場に立てたもんだね…まじ尊敬するよ。
苦笑いを心中で浮かべれば、今日までの苦労が走馬灯のように浮かび上がってくる。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
数週間前
「そんなわけで彼女とペアを組んで出ます」
「そうか。悪くない判断だろう、他の有象無象よりは使えるぞ、こいつは」
興味なしという感じでラウラさんは簪ちゃんを一瞥した。
使えるとか、失礼しちゃうわ。
ここは昼の学食。
普段の昼は教室でパン派の簪さんだが、当分は親交をより深めるため一緒にお昼を食べることにした。
あいかわらず一組ではぼっち状態のラウラさんが一緒なのはいつものことである。
いや結構ラウラさんと一緒に食べたい子いると思うけどね、なかなか寄せ付けないラウラさんです。
さて本日のメニューは?
私はてんぷら盛り合わせ、かけうどん大盛り、ご飯どんぶり、豚汁大盛り、ゴボウサラダ。
ラウラさんは日替わり定食にソーセージ盛り合わせ、ザウアークラウト、肉じゃが
この肉じゃがにえらく感動したらしく、昼はいつも頼むラウラさん。レシピを調べて本国の部隊に送るとか言ってたな。
どんだけじゃがいも料理に飢えてるんですか?
三人がけのテーブルは二人で明らかに四人前はある料理に占拠されているが、簪ちゃんはきつねうどんだけなので、なんとか収まっている。
なんだかラウラさんに怯えてるし、肩身は狭そうだけど。
「おい、馨、貴様テンプラをうどんに投入しないだろうな!」
「ひっ!」
おっとラウラさんは後乗せサクサク派ですか。
なんで簪ちゃんはラウラさんの剣幕に怯えてるの?
「私はお塩でいただく派なのですよ、ハイソでしょ?」
「塩だと、うまいのか?それは」
たべてみる?
「はいあーん」
半分くらいになったえび天を差し出したら睨まれた。
「食いかけを出す奴があるか」
ちっ
「ではそのチョリソーと交換で、このかき揚げを差し上げましょう」
「よ、よかろう。等価交換だな」
学食のチョリソーはメキシコ系で辛いから残してるくせに…可愛いなぁもう。
ちなみに元祖チョリソーであるスペインのチョリソーは辛く無いんだって。
スペインの植民地だったメキシコに伝わった際に唐辛子を入れるようになったんだけど、日本にはこのメキシコ料理としてのチョリソーが先に入ってきたんで辛いチョリソーが一般的なのだそうですよ。
以上二組所属スペインから留学生アリシア・カハールちゃんよりの受け売りでした。
「簪ちゃんは後乗せサクサク派?しっとり投入派?」
「…きつねでよかった」←めちゃ小声
あー投入派なんだ。
残ったかしわ天をご飯にのせ、めんつゆをぶかっけて天丼でいただく、うんうまいね。
べこまけた。
「さてさて本日のデザートは、じゃーん林檎のタルトでーす」
「…まるごと?」
「簪ちゃんはどれくらい食べる?今日は三人だからハーフじゃなくてまるごとだよ」
「普通で…」
「私は4分の1でいい」
「はいはい」
周囲の女子の視線が痛い。
殺意が篭ってる人がいるのが怖い。
「ご飯終わったら、早速弐式の調整と稼働データとらないとね、ところでラウラさんはペア誰?」
「知らん抽選だ」
「なんとも男らしい…よかったね簪ちゃん、私と組まなかったらラウラさんと組むことになってかもよ」
耳元で囁く。
「ひっ」
そんなに怯えなくても噛み付いたりしないよ?
…たぶん。
「馨、お前の機体の方はどうなっているのだ」
「あ、うん週末…てか明日からだけど、本社で最終チェックして月曜日にはこっちに持って来るよ」
「そうか」
うーん、心配してくれているのかなぁ?
なんか違う気がする…
「折角だし簪ちゃんもこない」
「…え?」
「弐式の調整の参考になるかもしれないし、うんそうしよ。けってーい」
「いや…その」
「ついでに映画でもみっよか?まだGW公開の映画(日曜朝の戦隊物のお奴とかライダーとか)やってるところあるだろうし」
「う…」
まぁそう言う事になったのですよ。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
翌日。
宣言通りちびっこ&おっきいお友達に紛れて映画を鑑賞、ちょいとお茶してから会社へと向かったのですよ。
「遅い!さては…寄り道したね?」
お義母さまがお怒りです。やべぇ
「で、電車が事故で」
「見え透いた嘘は止めなさい」
「まぁまぁ夜子さん、いいじゃないですか可愛い女の子と街に出たんです、寄り道の一つもしますよ」
おお、神フォローキター
木場さんのとりなしでなんとか事なきを得て、改めて簪ちゃんを紹介する。
「か、可愛い…」
木場さんのセリフで顔を真っ赤にして俯いてますが。
あの人、素でやってるからなぁ…
「倉持にケンカ売ったていう、見所の有るお嬢さんだね、聞いてるよ」
「いえ…その…別に、そんなつもりじゃ」
「今日一緒に来たってことは、ウチに身を預ける気になったんだね?」
「えっ!…その!・・・」
「よし、じゃぁさっそく契約書作ろうか!」
義母さん…
「夜子さん、ちょっと強引ですよ。絵里さんお願い」
再び木場さんのフォロー。
わらわらやってきた大塚さん他数名が義母さんを拘束して引きずっていく。
義母さんも抵抗してるが…あの人基本的に女性にはあんまり強くできなんだよね、男(特に義父さん)には容赦ないんだけど…
「すまないね、更識さん、びっくりしたでしょう?」
「いえ…そんな」
「ラボの機材は自由に使って構わないよ、分からないことがあったら何でも聞いて。
今日は馨くんに付き合ってくれてるけど、寧ろ時間が無いのは君のほうだろうし」
「あ、ありがとうございます…」
ううむ、上手い…
「さて、馨くんも最終調整ね」
「はーい…」
はぁ気が乗らないなぁ
「ほら、諦めて。先にすすまないからね」
そうですね…
「もしかして…」
僕の態度で察してくれたのか、簪ちゃんが表情を変える。
「うん…僕も専用機持ちになるんだってサ…整備科に進んだら皆のいいおもちゃにされそうだよ」
実習の度に見本(いけにえ)として前に出され、皆にいじられちゃう!
「ふぅん…よかった…ね?」
ちょっ!
酷い!酷いよ!簪ちゃん!そんな目で僕を見ていたんだね!?
「え?…違ったの?」
「はは、なかなか良く見てるねぇ、結構かまってちゃんだから、馨くんは」
木場さんまで…ヒドイ
「ほら、馨くんはスーツに着替えて来て」
「下に着てきました…」
「横着だなぁ」
大きなお世話です。
(/ロ゜)/
初期化と最適化に平行して、微調整がほどこされる。
これは開発主任である義母さん手ずからの調整となる。
一言で言えば、義母さんの調整は「繊細」だろう。
普段の言動からは想像もつかない、ミクロン単位の誤差も許さないような、流麗で丁寧な調整。
米粒に写経するような感じといえばいいだろうか。
以前僕がセシリアさんとの試合の直前に、白式にやった調整とは大違いだ…
当然その分時間は掛かる、既に30分が経過したが、一向に最適化が終わらない。
横のブースでは一人で打鉄弐式の調整をしていた簪ちゃんが、ラボの皆さんのおもちゃにされていた。
当初はわたわたしていた簪ちゃんだが、強引な大塚さんを筆頭に、ラボの女性陣が言いくるめて今は、ISスーツに着替えさせられ、機体に搭乗させられている。
一応地力で完成させたいという旨だけは、頑張って主張したので、聞き入れられたようだが…
皆よっぽどヒマなのかよってたかって弐式をいじくり倒している。
一応木場さんがフォローしてくれてるから…大丈夫だろうけど。
ううむ、当社開発ラボの良心木場さんの好感度が、簪ちゃんの中で急上昇中とみたね、惚れちゃだめだよ、奥さん子持ちだから、その人。
ま、簪ちゃんには悪いけど、これも狙い通り。
好奇心の塊のような技術者さんたちにしてみれば、未完成の第三世代機なんて、そりゃぁ猫にまたたび、カッパにキュウリ、キツネに油揚げだ。
よし、これで弐式は、試合までには十分実用に耐えるレベルになるはずだ。
『謀ったね…馨ちゃん』
『…ふふ、君ならそう言ってくれると思ったよ簪ちゃん』
君に恨みは無いが、君の姉上がいけないのだよ!(意味不明)
僕の表情から、謀られたことに気がついた簪ちゃんから非難の
秘匿回線&視線が飛んでくるが…ふふふ全然怖くないよ?寧ろ可愛い。
保存保存っとこーゆー時、専用機はベンリだねぇ。
「ほら遊んでないでこっちに集中しなさい」
ペシと母さんにオデコをはたかれたました。
はーい。
「義母さん、これは結局どーゆー機体なんですか?」
「あんた第三世代機ってのがどーゆーものか分かってるわよね?」
「第三世代“兵装”を運用する機体って意味ですか?」
「そう、だからこの世代のISは基本的に、まず武装ありきで、その武装を運用する上で、まぁ適当な本体を用意している…」
私はね、これが気に食わなかったのよ。と義母さんは毒を吐いた。
「だから私はね第三世代機ISには興味がなかったのよ」
「はぁ」
「でもちょっと面白い第三世代兵装を持ち込まれちゃってね…それを生かせる機体を作れるのは、私くらいだし。埋もれさすにはちょっと惜しいし…」
義母さんが“面白い”とか思う兵装が積まれてるんですか…これは、やだなぁ。イテ
またまたペシコンとおでこをはたかれたですよ。
「安心しなさい、この子はその兵装をテストするための機体で。現行の第三世代機“本体”の技術の粋を集めた機体よ、誰が使ったって最高の結果を出すわ」
義母がそう言うと同時にリターンキーを押すと、機体の設定が全て終了。
初期状態だった機体が、新の姿…僕の機体へと変貌していく。
って…なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!
(/ロ゜)/
「…うわっ」
簪ちゃんが引いた声が聞こえた。
無理も無い。
それまでは灰色だった機体の装甲は、いま眩いばかりの金色へと変化していた。
某グラサン大尉の機体のようにワンポイントの黒すらない。
「義母さん…」
「一応それも兵装の一つなのよ、我慢しな」
へぇーこの金色の装甲がですか…
装甲のカラーを別にすれば、それは百○にはあまり似ていなかった。
初期状態だからかと思っていたが、そうではないらしかった。
装甲は全体に流線型で、例によって胴体や、頭部まで装甲がある、現行のIS主流をガン無視した形状。
肩部が浮遊型の非接続型で無いのも珍しい。
ISのパーツはこの肩部が、サブスラスター、シールド、武装などでやたらゴテゴテしていることが多いが、この機体はそうではない。簡素な装甲と放熱のためか?フィンのような形状のパーツが数本生えているだけだ。
機動力を生み出すのは、背部、腰部、脚部のスラスター群。
正面からの被弾面積が随分小さい、おおよそ正面の全幅は通常のISの半分程度だろう。
飛行中な細かな姿勢制御はスラスターではなく、慣性制御で行なえということのだろうか?
人間の露出が多く、パワードスーツ然とした現行のISに比べて、この子は「小型のロボット」っぽく見える
まぁカッコイイことは確かだ、派手だけど。
「
掃星よ、可愛がってあげなさい」
掃星、箒星同様彗星の和名だ。
義母さんの苦笑めいた表情から、義父さん一派の介入があったことが伺える。
「ハバキには『剣』という意味と、掃うから転じて『祓う』も込めてあるわ、夜空を切り裂く刃。世界に蔓延する穢れを祓うとされた彗星。その名前に負けないように精進しなさい」
…中二くせぇ
ゴンッ!
工具で殴らないでください!
「…あら25mmスパナがよかったかしら」
お許し下さいお義母さま。
それはISの装甲越しでも痛いと思います。
「さて、調整はほぼ完璧、武器は箒星で使っていたの流用するから、一通り使い方は分かってるね?」
「はい」
「じゃぁ
量子変換は自分でやんな」
えー
「ほらほら!いつまで他社の機体構ってるんだい!仕事に戻りな」
そう言って皆さんを追い払い…嬉々として自分が弐式に取り付いた。
義母さん…
ああ!何が「ちゃんと食べてんのかい?IS操縦者は体が資本だよ!」ですか!?ベタエタ触らないで!セクハラですよ!
簪ちゃんが顔真っ赤にして恥らっててるじゃないですか!
……よし保存できた。うむよい画が撮れたな。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
「大変だったねぇ」
「…」
もちろんそれだけではない。
いかに機体が優秀でもISの性能は戦力の決定的な差ではないのは、周知の事。
ましてタッグマッチとなればコンビネーションも重要だ。
寝食を共にする勢いで、訓練に励み。
なんとかトーナメントにこぎつけた。
だが受難はまだまだ続いたのだ。
「期待してるよ、うん日本国の代表として、いい試合をしてくれたまえ」
このヨッパのおっさん!僕は代表候補生じゃありませんが!?何か?
トーナメント開催期間中、来賓の「おもてなし」を含めた「懇親会」が連日開催される。
各国の関係者、メーカーの重役、etc...
客寄せパンダとして出席が命じられた代表候補生&専用機持ち&他成績上位者数名&留学生、に混じって、僕もパーチーへの出席を命じられた。
まぁ各国の代表候補生や留学生たちははさすがに隙が無い。
ところがこのパーチー、出席者で一番多いのは当然開催地である、おうジャパニーズ!
半分は日本人なんですよね。
さて我が日本の代表候補生は?
「……………」
ちょ!簪ちゃん!なんでそんなぶるぶる震えてるの?
そう、引っ込み思案なメガネ少女さんですよ。
いかん箒さん!箒さーん!
「…」
うわ!すげぇ顔で出席者睨んでる!
全力で「私は姉のことなんて知りません!」というオーラを発してるよ!
一夏!一夏は
女性の出席者にかこまれてちやほやされてる!
いかん!ただでさえ機嫌の悪い箒さんの機嫌が!
うわぁ!セシリアさんとかシャルルさんとか鈴ちゃんも微妙に表情が固いよ!
いかん一夏は壁の押し花にでもしておかないと、色々危険だ!
二年三年の先輩方は早々に試合が始まるため、序盤のパーチー出席は免除されている。
居るのはいけ好かない(私怨)生徒会長くらいか。
つまり…群がってくるオサーンの相手をするのは…あ、私ですか?
ええい!
ここでで引き下がっては男が廃る!
で冒頭に戻ると。
(/ロ゜)/
また、次か次へと政府関係者と、国内メーカーの人達がこっちに来るのだ。
考えて見れば私と簪ちゃんは「国産機、大和撫子」コンビ。
そりゃ期待するよね…
「次官、それ以上の接近は禁止です」
唯一の救いは義父さんである、さっきからピッタリ僕に張り付いて、皆さんを牽制してくれてるコトだ。
親馬鹿も大概にしろ、あと空気嫁、ってみんなが無言で言ってきてるけど、どこ吹く風。
こんなに頼もしい義父さんは初めてだよ!
親馬鹿さえなければかっこいい人なのだ。親馬鹿さえなければ…
「あ重田くん、握手はお断りしてるんで」
「嶋野さん…空気読みましょうよ」
「君だって!自分の娘がここにいたらそーするだろぉぉぉ!」
「当たり前でしょうがぁぁぁぁ!」
男親って…
(/ロ゜)/
「ふぇ~ちかれた~」
「お、お疲れさんだな馨」
「お疲れ…馨ちゃん」
「食え、美味だぞ」
「うう、ありがとう…」
とりあえず一夏&箒さん&簪ちゃんの問題児トリオへの防波堤はウチの義母さんが買って出てくれた。
事情を説明したところ三人を独占し、誰も寄せ付けないでくれていた。
業界における義母さんの立ち位置って…
「じゃぁ馨、私は少し友達に会ってくるか、あんたが防壁になりなさいよ」
義母さん…私は疲れてここに避難してきたのですが…
「馨ちゃん!父さんがいるから大丈夫だ!おっと織斑くん、あまりウチの娘に近寄――」
「あんたも挨拶があるでしょう」
青筋浮かべた義母さんが義父さんの襟首を掴んで連れて行ってしまった…おおモーゼの出エジプト記ばりに人垣が左右に割れている、どんだけ…
「パワフルな母上だな」
「うん…でもすごくかっこいいね、後また色々アドヴァイスしてくれた」
こんなところでIS談義してたのですか皆して。
すこしはパーチーを楽しめばいいのに。
あ、ちらし寿司美味しい
「白式のデータ見てもらったらボロクソに言われたよ」
ああ、まぁそうだろうね、白式みたいな特化型の特殊仕様って義母さんの嫌いなタイプの機体だし。
シャルルさんのリヴァイブカスタムとか。
第三世代機だと甲龍みたいな実戦モデルが一番タイプだろうなぁ、データ盗ってこいとかいってたし…やってないけど。
あれで鈴ちゃんは割りとしっかりしてるので、機密レベルの高いデータは絶対に見せてくれないのだ。
まぁ中国という国の体制を考えれば無理も無いけど。
「そういえば箒さんはラウラさんとペアになったんだよね、どう?」
「どうもこうもない、わかるだろう…」
ちょっと恨みを込めた視線で箒さんがこっちを見る。
まぁ一夏が速攻でシャルルさんと組、あたふたしているうちに僕は簪さんと組んで、気が付けば箒さんは誰とも組めないまま締め切りになってしまったそうだ。
結果抽選…二人しかいないのに抽選もなにもないけど…であの二人が組むハメになったのだ。
専用機(及び専用機に相当する僕の機体)持ちの代表候補生がペアを組みまくったので、さすがに運営委員も考えてしまったそうだ。
入学二ヶ月の新入生が乗る訓練機では逆立ちしたって敵う相手ではない。
これでは今後の指標となるデータもとれない。
侃々諤々の争議の結果。
織斑一夏&シャルル・デュノア
セシリア・オルコット&凰鈴音
更識簪&嶋野馨
ラウラ・ボーデウッィヒ&篠ノ之箒
の四組はシード扱いとして第四回戦からの参加となったのだ。
(どのみち全校生徒約120名60組だと2の乗数じゃないからシードによる調整は必要なんだけどね)
ちなみにこの四組はブロック分けされ、準決勝まで当たる事は無い。
…仕込みかよ。
順当に勝ち上がれば準決勝は、「大和撫子」ペアvs「中英代表候補生ペア」
と「男ペア」(まぁシャルルさんは本とは女の子だけど)vs「日独ツンツンペア」となる。
下馬評一位は「日独ツンツンペア」である、なにせ対抗馬の「中英代表候補ペア」はラウラさん一人にこてんぱんにされているからね…
でまぁ「男ペア」と「大和撫子」ペアは、あんまりデータが無いのでどっちも穴馬扱い。
とはいえ代表候補生の前評判は、山田先生を翻弄させたシャルルさんの方が、機体が未完成(だった)の簪ちゃんより高い。
逆に先月のクラス対抗戦の結果を見るに一夏と私では私の方が強い、だろう…とのこと。
まぁペアを組む以上、予想外の展開はあるんだけどね。
「さてさて、どうなることやら…」
まぁ勝たないとラウラさんのおしおきが怖いから頑張るけどね…
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
走馬灯のような今日までの受難(他にも色々とありましたよ)を振り返れば。
金色の機体と、それを駆る僕への好奇の視線など可愛いものだ。
『えー、金色のIS、かなりセンスを疑うカラーリングですね』
大きなお世話です。と解説の先輩につっこみを入れる。
『そう?私は好きよ?ナイ○・オブ・ゴールド』
おおさっきから気のあいそうな先輩だなぁ
『先輩が日本のサブカルに詳しいのは良く分かりました…えー情報入ってきませんね、謎のISです』
『普通に考えて新型でしょう…やるわねぇ』
『?…えー専用機組はともかく、もう一組の選手の紹介をしましょうね!』
『杉野丹、大滝蓮の剣道部ペアね、機体は両名とも【打鉄】』
そう実は四回戦の相手はマイソウルフレンドのマコちゃんである
『ここまでの試合では、対戦相手の連携を分断し、タイマンに持ち込み、近接戦闘で圧倒する、という戦法で勝ちあがってきてますね』
『ISの制御はともかく、乗り手の実力が図抜けてるわね、打鉄の機体特性を良く引き出してるわね』
『先輩的にはどう思われます?』
『いかんせん専用機側が未知数すぎるわ、ただ近接戦闘になったら、わからないかもよ?』
ふぅむ。
てか遅いな、蓮ちゃんは出てきたけど、マコちゃんが…
『杉浦選手遅いですね…おっとみえ…あれ?』
…
ゴシゴシ
うん間違いない。
マコちゃんのISが打鉄じゃなくて、箒星になってる。
しかもあれは近接特化型パッケージを
量子変換してるな。
『ねーマコちゃ~ん、どゆこと?』
『あなたの想像通りよ』
義母さんですね?
理事特権でごり押しですか?
あんまり横紙破りすると敵つくりますよー。
と来賓席の義母さんを見る(ハイパーセンサーってベンリだね)
うわ笑ってる・・・最悪。
無情にも試合開始を告げるブザーが鳴った。
後書き。
お久しぶりです。
気長に待っていただいた皆様、本当にありがとうございます。
書いては消し、推敲しては消し。
でも良くなったのか?と言われると
自分ではイマイチ実感がつかめません。
特に「主人公がインターセクシャルであるという設定が生かされて十分に生かされていない。」
このご意見は今後の課題として精進していきたです。