2018年冬季五輪、3度目の正直で韓国・平昌に

招致成功に歓喜する大統領とサムスン会長だが…

2011.07.08(Fri)  野口 透

アジア

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 テレビなどでは招致成功に歓喜する場面ばかり繰り返し報道されるが、今回の招致活動については、実は直前まで一般国民の関心は高くなかった。

 招致成功を喜んでいるが、「これですべてハッピー」というほど国民の関心が集中しているとは、まったく言えない雰囲気だ。李明博大統領の努力を評価する声は高まり、一時的に支持率が上昇する可能性があるが、長期間持続する可能性は低い。

期待外れの決算でお祝いムードに水

 招致成功から一夜明けた7日、サムスン電子は2011年第2四半期の決算(暫定値)を発表した。売上高は前年同期比2.9%増の39兆ウォン(1円=13ウォン)だったが、営業利益は同26.1%減の3兆7000億ウォンだった。アナリストの間では一時、営業利益が4兆ウォンを超えるとの期待があったが、これを大きく下回った。

 つい数年前まで収益源だった液晶パネル事業は、第1四半期に続いて赤字だったもようだ。テレビ事業も低調だった。

 この日はまた、アップルがサムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS」などがアップルの特許を侵害しているとして米国への輸入差し止めを求めて国際貿易委員会(ITC)に提訴したことも明らかになった。先にサムスン電子がアップルのスマートフォンなどの輸入差し止めを求めて提訴したことへの対抗措置で、両社の争いはますます激化してきた。

 サムスンにとっては、「平昌招致成功」をとても手放しでは喜べない1日になってしまった。

 今回の招致活動では、李健熙会長以外に、大韓航空を傘下に抱える韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長や大韓体育協会会長でもある朴容晟(パク・ヨンソン)斗山重工業会長も票獲得に走り回った。

 大統領が大号令をかけて、財閥総帥が駆けつける。必要ならば、有罪判決が確定した財閥総帥も特赦を与えて走らせる。これが韓国の強さの現実であることも確かなのだ。

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