'11/7/8
非正規雇用から抜け出せず 11年版労働経済白書
1970年代後半生まれの「ポスト団塊ジュニア」の男性は、他世代に比べて非正規雇用から抜け出せない人の割合が高く、90年代から本格化した派遣社員など非正規拡大のひずみが集中した―。こうした世代論を展開した2011年版の労働経済白書を、厚生労働省が8日発表した。白書は職業訓練の拡充などを通じて、正規雇用への転換を支援すべきだと訴えた。
白書によると、バブル経済崩壊後、企業が進めた非正規拡大や採用抑制が、70年代以降生まれの雇用を直撃。特に70年代後半生まれの男性は、非正規の割合が10%台半ば付近に高止まりしたまま30代に達したと指摘した。
就職が「氷河期」に当たって「フリーター」などの形で社会に出ざるを得ず、その後も企業による非正規拡大の流れが続き、正社員転換が進まなかったと分析した。
70年代前半生まれの団塊ジュニアの男性は、非正規比率が低下。80年代前半生まれも20代前半で高かったが、2000年代の景気回復の恩恵を受け20代後半で大きく低下し、正規雇用が増えた。女性は男性に比べ非正規の割合が全体的に高く、明確な世代別特徴は見られなかった。
白書は、非正規雇用の人は「技能・賃金水準も低いままで、同世代の中でも格差が拡大している」と指摘。職業訓練の拡充や、訓練履歴などを記したジョブカードの活用で、正規雇用への転換を強力に支援するよう訴えた。
白書は、雇用情勢全般について「東日本大震災で厳しさを増している」と指摘。「雇用維持で人々の不安心理を