インド、反原発デモで1人死亡 福島事故受け抗議激化ジャイタプール原発建設予定地近くに設置された、福島第1原発の事故に言及し原発建設反対を呼び掛ける看板=13日、インド西部マハラシュトラ州(ロイター=共同) 【ニューデリー共同】インド西部マハラシュトラ州ジャイタプールの原発建設予定地で18日起きた抗議デモで、参加者の一部が暴徒化して警察署を襲撃。これに対し警官隊が発砲し、参加者の男性1人が死亡した。インドメディアが19日、伝えた。 抗議行動は福島第1原発の事故を受けて激化しており、現地では19日も病院が襲撃されたり、バスが放火されるなど混乱が続いた。 報道によると、18日のデモは自然発生的に起きたが、同州が基盤のヒンズー至上主義の極右有力政党シブ・セナがデモ隊を扇動。付近の住民約700人が警察署を襲うなどして、約60人が拘束された。 同州のパティル内相はデモ隊による投石で警察側にも負傷者が出たとし「最後の手段として発砲した」と述べた。 シブ・セナは発砲に抗議して19日に現地での大規模スト実施を表明。商店などは営業を中止したが、暴徒の勢いは収まらず、緊張が続いた。 インド政府は、同州の州都ムンバイから約350キロ南の海沿いの地区に同国最大規模となる「ジャイタプール原発」の建設を計画。今年に着工し2018年の稼働を目指している。しかし環境悪化への懸念などから住民らが断続的に抗議行動を実施、福島の事故を受け今後さらにエスカレートする恐れが出ている。 【共同通信】
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