玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開に賛成するメールを送るよう九州電力が関連会社4社に指示していた「やらせメール」問題で、関連会社3社の社員約1500人が、九電の要請を閲覧していた可能性があることが分かった。要請文書は各社内で組織的に周知されており、世論誘導に対する罪悪感が希薄だったことがうかがえる。
3社は、西日本プラント工業(福岡市)▽九電産業(同)▽ニシム電子工業(同)。
西日本プラント工業によると、経済産業省主催の「説明番組」が放送される4日前の6月22日に、同社の原子力事業本部長がメールを受信。翌23日には社内ネットの掲示板に、番組に運転再開を支持する意見を寄せるよう求める文書を掲載した。同社の調査で、全社員約2200人のうち、約1400人が文書を見ていたことが判明した。
九電産業では、23日にメール受信を確認した原子力部長が、玄海・川内両事務所長など3人にメールを転送。3人はメールを印字し、部下に回覧させた。約60人が見た可能性があるという。
ニシム電子工業では、九電からのメールを見た佐賀県の玄海事務所長が39人の事務所員にメールを送付していた。
実際に意見を投稿した社員について、西日本プラント工業は「調査中」。九電産業とニシム電子工業は「確認できていない」としている。
残る西日本技術開発(福岡市)では、原子力事業本部(約110人)内で、九電からのメールを転送するなどしたが、何人が見たかなど調査中。
=2011/07/08付 西日本新聞朝刊=