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富山・強姦冤罪事件:国賠訴訟 原告側、捜査員の証人尋問検討--口頭弁論 /富山

 県警などによる強姦冤罪(ごうかんえんざい)事件で、服役後に無罪が確定した柳原浩さん(44)が国や県などを相手に約1億円の国家賠償を求めた訴訟の第10回口頭弁論が6日、富山地裁(田辺浩典裁判長)であった。原告側は柳原さんを取り調べた警察官や検察官など捜査員5人らの証人尋問を検討していることを明らかにした。今後、県警・検察側と尋問の可否について協議していく。

 原告側が証人尋問を求めるのは柳原さんを取り調べたり、被害者から事情を聞いた警察官ら計5人のほか、柳原さんの元上司など。被害者の供述から柳原さんのほかに真犯人が別にいたことを県警が認識できたことや、取り調べの違法性を明らかにするのが目的。

 またこの日は、原告側が捜査のずさんさを改めて指摘。柳原さんが起こしたとされた事件現場と真犯人が起こした別の事件現場とで見つかった足跡が同種のものだったのに「警察はあえて無視した」と主張した。

 さらに検察側が開示した、真犯人が起こした石川県内の2件の事件の捜査記録について、原告側は「ほとんどが黒塗りだった」と批判。2件は柳原さんが逮捕された以降に発生した同様の手口の事件。柳原さんとは別に犯人がいる可能性を示しており、警察の捜査が不十分だった証拠となる。前回の口頭弁論で地裁が開示を決定していた。今後、真犯人の弁護人に記録の提出を求める方針。

 閉廷後、柳原さんは会見し、証人尋問について「何も包み隠さず、本当のことをしゃべってほしい」と訴えた。【大森治幸】

毎日新聞 2011年7月7日 地方版

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