「南京で最低30万人殺害」 日本の機密公電収録(下)

中国『南京大虐殺史料集』を刊行

 史料集の編さんに向け、中国は2000年代初めからチームを構成し、世界各国で調査を進めた。

 調査チームは、米国立公文書記録管理局、米議会図書館、スタンフォード大フーバー研究所、日本の外交史料館、防衛省戦史研究室のほか、英国、ドイツ、デンマーク、イタリア、ロシアの外交文書保管施設もくまなく調べた。

日本側、資料の撮影拒否

 収録された資料は、中国語だけでなく、英語、日本語、ドイツ語、デンマーク語、イタリア後、ロシア語など多彩だ。資料の考証、編集に投入された専門家は100人に達するという。江蘇省社会科学院歴史研究所の王衛星研究員は「日本で資料を調査した際、日本側は写真撮影やコピーを禁止し、全部書き写すのに手が腫れ上がるほどだった」と話した。中国は2年後をめどに、史料集の重要内容をまとめ、一般人も容易に読むことができる『南京大虐殺全史』を刊行する計画だ。

 編さんチームは、今回の史料集完成により、日本の右翼勢力がこれ以上南京大虐殺を否定したり、歪曲(わいきょく)したりするのは難しいとみている。日本の学界は、南京大虐殺を事実として認めているものの、当時の死者数が最大でも20万人を超えないとみており、学者によっては2万-4万人と推定している。

 史料集の編さんを担当した張憲文・南京大教授は「今回の史料集発刊で、多くの歴史的事実がはっきりした。正しい教育で中日両国の若い世代が友好的な関係を構築する上で役立つことを期待している」と述べた。

 中国社会科学院世界史研究室の湯重男教授は「史料集完成は今の世代の功績だが、その利益は千秋にわたり残るだろう」と評した。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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