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4番マートン竜倒!新打線で鬼門突破

 延長11回、マートンは右前安打を放ち、相手のミスからんで待望の1点をもぎ取る(撮影・大山伸一郎)
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 延長11回、マートンは右前安打を放ち、相手のミスからんで待望の1点をもぎ取る(撮影・大山伸一郎)

 「中日1-3阪神」(7日、ナゴド)

 阪神がようやく鬼門撃破だ。真弓明信監督(57)は新井貴浩内野手(34)を昨年6月13日以来、4番を外して6番へ降格。マット・マートン外野手(29)を4番に抜てきし、延長十一回にマートンの安打が決勝の敵失につながった。同一カード3連敗を阻止した執念で、9日からは秋田で首位ヤクルトをたたき斬る。

  ◇  ◇

 丸刈りの新4番が鬼門を打ち破った。伸びた赤毛とともに、負の連鎖ともグッバイ。マートンが竜の守護神を粉砕。連敗地獄を脱出した。

 岩田、吉見の熱投でスコアレスの投手戦は九回を超えた。迎えた十一回表。鳥谷が岩瀬から左翼フェンス直撃の二塁打で突破口を開くと、第91代4番に指名された赤毛の助っ人が重責を果たした。

 初球。内寄りの直球を右前に運んだ。定位置でワンバウンド捕球した右翼手を見て、二塁走者鳥谷は三塁でストップ。だが直後、一塁側にそれた返球を小田が後逸。送球がファウルゾーンに転々とする間に鳥谷がホームへ駆け込み、均衡が破れた。敵失に助けられ決勝点が転がり込んだ形だが、新オーダーの「軸」が主役を張った。

 「特別なことをやろうとしたわけじゃないよ。アウトになるなら、走者を三塁に進めようと意識したんだ。1番でも、4番でも気持ちとアプローチは変わらないよ。変わるとすれば、ある打席に入れば、状況が変わる。その状況に応じたバッティングをするだけだからね」。試合後、マートンは丸刈り頭をかきながら、殊勲打を振り返った。リーグトップを走る今季80本目の安打が昇格即“勝利打点”。相手拙守にも助けられ、この回一挙3点を奪った。

 試合前の練習中、フリー打撃の前に和田打撃コーチから4番を通達された。阪神助っ人としては03年のジョージ・アリアス以来、自身初の重責にも平常心を貫いた。打順昇格の胸騒ぎがあったわけではない。ただ、たまたま決意表明が行動に表れた。

 「ム・シ・ア・ツ・イ!」。試合前、宿舎で断髪を思い立った。メッセンジャーのマイ・バリカンを拝借し、自室で自ら伸びた赤毛をバッサリ切った。「長い髪に飽きたんだ。神戸に戻るまでは、とても耐えられなかった。フィニッシュはランディ(メッセンジャー)に助けてもらったけどね」。手の届かない後頭部はメッセの手を借り、新スタイルを完成させた。

 「万能型というか、どんなケースでも対応してくれる」。和田打撃コーチが指揮官の思いを代弁。信頼を寄せた。昨季も7月7日(ヤクルト戦)で3安打猛打賞を放った七夕男。虎党の願いを託された新4番が、新井の代役で輝いた。

(2011年7月8日)

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