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　「中日１-３阪神」（７日、ナゴド）

　白星という名の報酬は得られなかった。だが、多大なる財産をつかんだ。今季最長の１０イニング、今季最多の１３２球。昨年オフに２度の右肘手術を受け、設けられていた１２０球の球数制限が解除された。１０回無失点。中日・吉見がカベを破った。

　冷静沈着。涼しげな顔で投げ抜いた。１日の巨人戦で球審の判定に不満の色を出し、マウンドで落合監督から「態度に出すな」と一喝された。三回２死満塁などのピンチもしのいだエース右腕は、心と体の熱を表に出さなかった。

　０８年のクライマックスシリーズ第１ステージ３戦目以来となった岩田との投手戦。「粘り強く集中して投げた結果だと思います」。今季初の４連勝と今季２度目の同一カード３連勝は逃したが、吉見の力投は歩みゆく道を力強く照らした。