◇南米選手権第5日(6日・サンタフェ=アルゼンチン)
【サンタフェ(アルゼンチン)工藤拓】南米選手権第5日は6日、アルゼンチンのサンタフェで1次リーグA組の1試合を行い、開催国のアルゼンチンはFWメッシを生かす“バルサ流”サッカーが機能せず、コロンビアと0−0で引き分けた。アルゼンチンはまさかの2試合連続ドローで勝ち点2。コロンビアは1勝1分けで勝ち点4。
バティスタ監督が目指すメッシを中心としたバルセロナ流のポゼッションサッカーは今回も機能しなかった。シャビ、イニエスタといった中盤がボールを運んできてくれるバルサとは違い、ゲームメーカー不在のアルゼンチン代表ではメッシが中盤に下がってボールを受けざるを得ない。
しかし、ゴールまで40メートルも50メートルも離れた位置でボールを受けても危険をつくり出せないどころか、逆にメッシへのパスがインターセプトの標的とされ、何度もピンチを招くことになった。
メッシから生まれた唯一のチャンスは前半34分。DFライン手前のスペースでボールを受けて素早く前を向くと、前線に抜けだしたラベッシに絶妙なスルーパスを通してGKとの1対1を演出した。だが、メッシがらしさを見せたのはその場面のみ。ボリビア戦と同じくFWを1人増やした後半は存在感を失い、同36分の直接FKをクロスバーのはるか上空へ蹴り上げた後にうつむいて顔を覆う姿は痛々しかった。
試合終盤にはマラドーナ前監督を求める大コールも。追いつめられた指揮官は「冷静さを保ち、前に進み続けなければならない。私はやれると思っている」と厳しい表情で語った。
厳しい状況に陥った開催国。FWテベスは「人々は5分で4得点を挙げるような試合を期待しているけど、それは不可能。どの試合も厳しい。ファンのブーイングには心が痛んだけど、まだ僕らには挽回するチャンスが残されている」と最終戦での奮闘を誓った。
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