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イエメンのアルカイダ、体内爆弾でのテロの恐れ=米が警告


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 米当局者が6日明らかにしたところによると、イエメンを拠点とするイスラム過激派テロ組織アルカイダのメンバーは体内に埋め込んだ爆弾で米航空機へのテロを検討している恐れがある。

Scott Olson/Getty Images

シカゴ・オヘア国際空港の所持品検査所(米イリノイ州)

 このテロ組織「アラビア半島のアルカイダ」に関するこの情報を受けて、米オバマ政権は数日前から、体内に爆弾を埋め込んだテロリストが搭乗する恐れがあると、外国政府および内外の航空会社に警戒を呼びかけている。ある米当局者は「彼らは考えているだけでなく、実行しようとしている」と述べた。

 カーニー米大統領報道官は記者会見で、米国土安全保障省(DHS)は具体的なテロ計画については警告していないと述べた。しかし、米運輸保安局(TSA)は、体内爆弾を使ったテロの恐れがあることから、米国の空港と、米国向けの便が飛び立つ外国の空港でのセキュリティーは強化されるとの声明を発表した。

 同報道官は、テロリストらは爆発物を隠すための新しい技術に対する関心を繰り返し表明していると述べるとともに、「われわれのセキュリティーは多面的であり、いつでも脅威に応じることができる」と強調した。

 米国は、反体制運動と部族間抗争で治安面での空白が生じ、アルカイダが活動しやすくなっているイエメンを拠点とするテロへの警戒を強めている。ある当局者は、米政府は具体的な体内爆弾テロ計画を承知しているわけではないが、イエメンのアルカイダは2009年のクリスマスにデトロイト行き航空機を下着に縫い込んだ爆弾で墜落させようとした計画に失敗しており、今回の動きは彼らが新たなテロの手段を考えていることを示していると述べた。

 TSAはここ数年、金属探知機を増やし、発見の困難な危険物を見つけるために、フルボディースキャナーを多くの空港に設置しているが、このスキャナーは体内に埋め込まれた爆発物を認識できない。このためセキュリティーの専門家らは、リスクを探知するための乗客行動分析など、別の方法が必要だとしている。

 航空セキュリティーの英コンサルティング会社、グリーン・ライトの創業者、フィリップ・ボーム氏は「どんな技術が使えるか? シンプルな解答は人間の頭脳だ。テロの脅威に対処できる唯一の方法だ」とし、麻薬密輸者が以前から麻薬を体内に隠していることからして、テロリストが同じことをしない方が驚きだ、と話している。

 09年夏にサウジアラビアの閣僚を狙った暗殺未遂事件では当初、体内爆弾が使われたとみられていた。しかし、米国当局はデトロイト行き飛行機の事件と同様に、犯人は下着に爆発物を隠していたと結論付けた。

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