五輪アジア最終予選への意気込みを語る関塚監督=東京都内で(松岡祐司撮影)
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サッカー男子のロンドン五輪アジア最終予選の組み合わせ抽選が7日、クアラルンプールで行われ、5大会連続9度目の出場を目指す日本はバーレーン、シリア、マレーシアと同じC組に入った。同予選は国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際Aマッチデーが使われず、欧州クラブからの選手招集に協会側の拘束力が働かない。そのため、関塚隆監督(50)は「(欧州組を)果たして呼べるのか、戦力と考えられるのか」と話し、現有の国内組で戦う意向を示した。
抽選会が行われた現地には行かず、関塚監督はサッカー協会の一室でコーチ陣とチームづくりを話し合っていた。対戦相手をいち早く知るよりも、限られた手駒の中で、いかに最善のチームをつくるかに専念していたのだろう。
抽選結果後の指揮官の言葉が物語る。「予選は国際Aマッチデーではないので、(欧州組が)今いるメンバーとの競争になった時に果たして呼べるのか、戦力と考えられるか。そこは大事なポイント。一番はチームとして機能する選手を招集する。そのスタンスは変えたくない」
ロンドン世代の逸材が次々に海外に渡る昨今。名門アーセナルと契約し、昨季はフェイエノールトで活躍した18歳のFW宮市、今夏にバイエルン・ミュンヘン入りが決まったFW宇佐美。昨季のブンデスリーガで前半戦のMVPに輝いたドルトムントのMF香川…。
ただ、彼らからの“還元”を期待しても五輪予選への招集はクラブ側の協力がない限り不可能。8月10日の国際Aマッチデーを使って行われるU−22エジプト代表との親善試合もA代表の試合でないため、協会側には拘束力が働かない。
来夏の五輪本大会でも同様だ。アジア各国ほど五輪に強い関心を示さない南米、欧州の意向から、FIFAは五輪期間を国際Aマッチデーとしていない。前回の北京五輪でもアルゼンチンのFWメッシ(バルセロナ)らの招集をめぐり、参加を認めないクラブ側と裁判に発展した過去もある。昨秋のチーム立ち上げ以降、関塚監督が招集できた欧州組はFW指宿(スペイン・サバディ)のみ。最終予選も国内組中心で勝ち抜くしかない。
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