軽快な動きを見せる中村(左)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスは6日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約1時間練習した。6月15日の新潟戦(瑞穂陸)で左ふくらはぎを肉離れし、戦列を離れていたMF中村直志(32)が2日連続でフルメニューをこなして全快をアピール。9日の神戸戦(ホムスタ)での復帰が濃厚となった。
中村は鋭い出足で相手ボールを奪い、ペナルティーエリアの外から力強いミドルシュートを放った。思い切ったプレーにも「痛みは全然ない」と笑顔。約10分間を3本行ったミニゲームで、1本目はサブ組でMF磯村とダブルボランチを組み、2、3本目は主力組の攻撃的MFに入った。5日から全体練習に復帰したばかりだが、攻守に運動量豊富なプレースタイルは健在だった。
負傷した新潟戦では試合序盤に、すでに左ふくらはぎに違和感を覚えたが、それでも後半24分までプレーを続けた。試合後は歩くのもつらい痛みに襲われた。診断は全治3週間。ただ痛みが引くのは早かったため「自分ではやろうと思えばやれた。もっと早く復帰したかった」。しかしメディカルスタッフとも相談し、無理はしなかった。
3日の東海学園大との練習試合に出て、実戦を経験しておきたい気持ちもあったが「(2日の)仙台戦を回避した意味がなくなる」と、再発のリスクを避けて自重した。
戦列を離れた4試合でチームは1勝3分け。「負けなかったことは良かったし悪い状態ではないが、最後に追いつかれる惜しい試合が多かった」。リーグ優勝を果たした昨季は3つしかなかった引き分けが今季は13試合ですでに6つ。「しっかり勝って自信をつけたい」。勝ちきることが、何となく乗り切れないチームの特効薬となる。
「最初からでも途中からでも100%を出せるよう準備はできている」。再発を避けるため万全を期してきた。酷暑へ向かう厳しい季節に、汗かき役をいとわない、頼もしい男が戻ってくる。 (伊東朋子)
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