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2009-02-18

選評:西田陽美作品

090218_215101使った品物
1、グレープフルーツの皮
2、グレープフルーツの皮
3、工作ボンド
4、つけまつ毛
5、100円プリクラ

グレープフルーツの皮を乾燥させてボンドでつなぎあわせ、作家自身の目の写真とまつげでお面に仕立てた作品。オーディションのときにも作家自身おもむろに装着してくれたけど、装着するとまんなかの割れ目から鼻、口、目頭がのぞいて、「宝誌和尚像」(右)が完成する。301c18e3 なんでも宝誌和尚を絵に描こうとしたところ、十一面観音の化身となってあらわれたそうで、「描かれることに抵抗している感じもおもしろい」とのこと。装着したまま撮影したプリクラつき。

一見して爆笑してしまった。お面として完全に機能不全である。真ん中から素顔が露出してしまって肝心のものが隠れていないというその不毛さが笑いの原因なのだが、しかし、というか顔がみえてしまっているからこそ、つけている人がお面の下に安住していられなくなるのが面白かった。つまり、お面をつけているにもかかわらず、何かをしなければならなくなるのだ。このお面の意味は、つけた人がどう振る舞うか、にそうとう左右されるだろう。お面をつけてしゃべりまくっていた以上、西田の目的は「和尚になる」ことではなかった(お面の目がひらいているのは重要だろう)。意図はあきらかに「なる」ことではなく「何かをする」ことで、だからプリクラまでとってアリバイをつくっているわけである。その延長で、会場で「これをつけても案外自然」と主張して装着した写真つき学生証まで見せる西田の大真面目さは、一種のパフォーマンスのようにもみえた。「自然」ということはこれは特殊メイクのようなものだということか。とにかく、そう主張することで、お面としてみたがる観客の目線に対して彼女がぶつかってくるのがおもしろかった。

あえて可能性として、「似せる」方向で考えてみると、宝誌和尚像は、ずるむけていく感じとともに、なんというか、こっちの視点が複数化するような感覚、右横からの視点と正面からの視点と左横からの視点が共存してしまったような目のいらだちがある(構造としてはキュビスム)。会場で「裂け目をもっと工夫したほうがいいのでは?」というコメントをしましたが、もしかすると、自身の左右の横顔を写真にとって、顔の左右に貼る、ということをすると、宝誌和尚像に近づくのかもしれません、視覚的効果としては。

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コメント


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先取りしちゃってごめんちょ!!ここ教えてあげるから許してww(*゚∀゚)=3
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