政治【産経抄】7月8日2011.7.8 02:39

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【産経抄】
7月8日

2011.7.8 02:39

 ハイジャック犯は、日本刀を振り回す若者だった。空港に金属探知機が備えられていないから、飛行機への武器の持ち込みは簡単だ、などというと、若い人は「まさか」と笑うかもしれない。

 ▼昭和45(1970)年3月31日、羽田発福岡行きの日航機「よど号」(乗員乗客129人)を乗っ取った赤軍派メンバーの9人は、ソウルを経由して北朝鮮の平壌に入った。グループのリーダーが田宮高麿だ。田宮はそのまま故国の土を踏むことなく、平成7年に52歳で死亡する。

 ▼数年後その存在が再び注目されたのは、グループの日本人妻と北朝鮮への日本人拉致事件との関わりが、明らかになったからだ。田宮の妻の森順子容疑者は現在、国際手配されている。夫妻の長男(28)は、今年4月の東京都三鷹市議選に立候補して落選した。

 ▼この長男が所属する「市民の党」から派生した政治団体に、菅直人首相と鳩山由紀夫前首相の資金管理団体が、計7250万円もの政治献金をしていたことがわかった。拉致被害者の家族が憤りの声を上げるのは当然だ。

 ▼拉致事件の実行犯である北朝鮮工作員の釈放嘆願書に署名した“前科”がある首相に対しては、もともと不信感が強い。民主党政権になってから、拉致問題ではほとんど進展が見られない。一方で、長男同様に北朝鮮から帰国したグループの子女は、両国の行き来が可能だ。被害者家族はやりきれない思いだったろう。

 ▼拉致問題対策本部長である首相には、くわしく説明する義務がある。法的に適正な献金、では済まされない。それにしても昨日までの新聞を見るかぎり、小紙以外はほとんどこの問題を報じていない。世間は最近、拉致問題に冷淡すぎないか。

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