2011年7月8日 2時45分 更新:7月8日 3時36分
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に関する佐賀県民向け説明番組を舞台にした「やらせメール問題」で、九電の課長級社員が意見投稿を依頼したのは、上司の執行役員から番組放送を原子力関連部署や子会社に周知するよう指示されたことが発端だったことが分かった。九電は7日、この社員への聞き取り調査を実施。眞部利應(まなべ・としお)社長自らが動機やメールの送信先などについて聴取した。
玄海原発の再稼働を巡る説明番組は6月26日、ケーブルテレビで放送され、番組中に賛否の意見を募集した。関係者によると、執行役員は番組があることを玄海、川内両原発など原子力関係3部署や子会社4社に周知するよう部内で指示した。
原子力発電本部の課長級社員はこの意を受け、発電再開容認の意見を番組に反映させる方法を具体的に子会社や社内の部署にメールで依頼したとみられる。
依頼メールでは「極めて重大な関心事で、万難を排して対応に当たることが重要」と番組の意義を説明。その上で「進行に応じて、再開容認の立場から県民の共感を得るような意見や質問を発信」するよう指示していた。
九電は執行役員と課長級社員の間に他の社員が介在していないかを含め調査する。
この社員への九電の聞き取り調査は7日午前10時20分から20分程度、眞部社長が直接聞き取るなどして行われた。社員は関与を認めた模様だが、聴取内容については「確認できていない」(九電広報)として公表していない。