2011年5月15日 21時40分 更新:5月16日 9時46分
中部電力は15日、原子炉を停止した浜岡原発(静岡県御前崎市)5号機で14日、水蒸気を真水に戻す「復水器」に約400トンの海水が混入し、原子炉にも流れ込むトラブルがあったと発表した。公表は発生の約19時間後だった。中部電は「放射性物質の漏えいはなく、法律に基づく公表基準にあたらないと判断した」(広報担当者)と説明している。
復水器は、原子炉の水蒸気を海水が流れる細管(直径約3センチ)で冷やす装置。中部電によると、トラブルは、この細管の破断が原因である可能性が高いという。
5号機は14日午後1時に原子炉を停止。その3時間半後、冷却水の不純物濃度が急上昇しトラブルが分かったが、発表は翌15日午前11時45分だった。
中部電はトラブルの約3時間後、別の注水ポンプを使って真水で原子炉の冷却を続け、15日正午すぎ、冷却水温が100度未満となる「冷温停止」状態になった。海水が原子炉に入ると内部の腐食が進むため、中部電は脱塩作業を進めている。
浜岡原発は1~2号機が廃炉に向けた準備中で、3号機は定期点検中。4号機も13日に停止され、全面停止となった。【仲田力行】