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再開同意後の安全評価実施に不信感 佐賀県知事・町長 | ||
「なぜ今なのか」-。福島事故後の運転再開第一号になるとみられていた玄海原発2、3号機は、国の新たな安全評価(ストレステスト)実施の表明で一転して見通しが崩れた。既に九州電力に同意を伝えた東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は「非常にショック。国が信用できない」と憤慨、再稼働に前向きな姿勢を示していた古川康知事も「一体、何を信じたらいいのか」と戸惑いを隠さない。1カ月以上審議を続けてきた県議も「大臣まで来たのに覆すのか」「愚弄(ぐろう)している」と怒りを爆発させ、国への不信感が渦巻いた。
「経産相に『安全は保証する』と言ってもらったから、同意の判断材料にした。私の判断は何だったのか」。岸本町長は怒りをぶちまけた。
町議会の合意を取り付け、「手順」を踏まえてきたとの自負がある。それだけに「全部ぶちこわされた気分。こんな一貫性のないやり方では、国がおかしくなる」と政府を激しく批判した。再稼働の遅れは確実で、「九電からの安定供給ができず、電力の不安が深刻化するのではないか」と険しい表情で語った。
「(今月中旬の判断は)全く飛んだ」。経産相との会談後に再稼働容認の姿勢を示していた古川知事。県議会の議論と菅直人首相の意向確認を残る判断材料として早期の首相来県を求めていた矢先で、「何でこの時期になってと驚いている」と困惑する。
再稼働について「首相も経産相と同じ気持ちに立っているとは感じられない」としていた知事。混乱する内閣に「首相の本心が一部見えたが、首相の真意や政府としての統一見解が示されないと、我々も責任ある判断ができない。いつどうなるか見通しも立たず、現段階では何も分からない」と嘆息した。
特別委員会で審議を重ねてきた県議会も怒りが渦巻いた。木原奉文委員長は「腰が定まらない不安定な内閣で、ドタバタ劇に閉口した。真摯(しんし)に議論を重ねてきたのに、愚弄している」、最大会派自民の石丸博県議団会長は「またかという感じでうんざりだ。これ以上混乱させてほしくない。11日の会派の意見集約は当面延期する」と政府の対応に不信感を募らせた。 |
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2011年07月07日更新 |