2011年5月15日 10時52分 更新:5月15日 23時30分
【ワシントン斉藤信宏】米ニューヨーク市警は14日、国際通貨基金(IMF)のトップである専務理事で、来年のフランス大統領選挙の有力候補とされていたドミニク・ストロスカーン容疑者(62)を、宿泊していたニューヨーク市内のホテルの女性従業員に対する性的暴行、強姦(ごうかん)未遂などの容疑で逮捕した。専務理事は、ケネディ国際空港からパリに向けて離陸する直前のエールフランス機内で当局者に身柄を拘束された。
米メディアによると、専務理事は同日昼ごろ、滞在していたタイムズスクエア近くのホテルで、清掃のため部屋に入った女性従業員を寝室に引きずり込み、さらにトイレで乱暴しようとした疑い。女性は軽傷を負った。
ストロスカーン専務理事は97年から2年間、フランス財務相を務めた後、07年11月にIMF専務理事に就任。世界金融危機や欧州財政危機で、事態の収拾に手腕を発揮してきた。12年のフランス大統領選では最大野党、社会党の最有力候補と目されている。08年には、専務理事の地位を悪用して部下に性的関係を迫ったとの申し立てがあり、IMFが調査したことがあった。
弁護士はロイター通信に対して、「専務理事は無罪を主張する」と語った。IMFの広報担当者は毎日新聞の取材に対し「コメントできない」と答えた。