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全国知事会:原発耐性テストに批判相次ぐ 対策特別委

 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の安全対策を協議する全国知事会の原子力発電対策特別委員会の初会合が7日、東京都内で開かれた。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働問題を抱える佐賀県の古川康知事をはじめ、原子力施設が立地する5県の知事らが出席。会合では、政府が全原発対象のストレステスト(耐性試験)実施方針を唐突に打ち出したことなどへの批判の声が相次いだ。

 古川知事は、海江田万里経済産業相の再稼働要請後にストレステストの実施方針が発表されたことを念頭に「政府が統一見解を持ち、誰が話しても同じになるのでなければ、我々はとうてい政府を信頼できない」と、定まらない政府の姿勢に不快感を表明。「(地元は)本当に翻弄(ほんろう)されている」と述べ、原発に関する菅政権の方針が見えないことへの不安を吐露した。

 中国電力島根原発を抱える島根県の溝口善兵衛知事も「政府が真摯(しんし)にやる姿勢がなければ、何かを決めるのは非常に難しい。政府に猛省を求める」と述べた。

 茨城県の橋本昌知事は、ストレステストの実施自体は評価しつつ「何をやるのかはっきり示されておらず、いかにも唐突だ」と指摘。青森県の三村申吾知事は「急な話で驚いている。エネルギー政策全般について、国が基本的な方針をしっかりと示すことが重要だ」と注文した。

 新潟県中越沖地震の経験を持つ新潟県の泉田裕彦知事は「一度安全を宣言してから『やっぱりストレステストをやる』と言えば、原子力行政に対する不信を高めるだけだ」と政府批判を展開した上で「政争の具になっている現状は極めて不幸だ」と、矛先を与野党にも向けた。【中山裕司】

毎日新聞 2011年7月7日 21時08分(最終更新 7月7日 21時33分)

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