夏の電力需給:15%節電が目標 東電、東北電管内

2011年5月13日 12時18分 更新:5月13日 13時41分

電力需給緊急対策本部会議であいさつする枝野官房長官(中央)=国会内で2011年5月13日午前7時38分、須賀川理撮影
電力需給緊急対策本部会議であいさつする枝野官房長官(中央)=国会内で2011年5月13日午前7時38分、須賀川理撮影

 政府は13日午前、電力需給緊急対策本部の会合で、東京電力と東北電力管内の今夏の電力の節電目標を正式に決めた。企業と家庭のピーク時の最大消費電力を前年比15%削減する。大口需要家には、需要を強制的に減らす電力使用制限令を発動する一方、家庭など小口需要家には節電メニューの例示などで自主的な節電を促す。(社会面に関連記事)

 東電は被災した火力発電所の復旧を急ぎ、8月末の供給力について、4月中旬の計画から550万キロワット分を積み増し、5620万キロワットと見込んだ。このうち140万キロワットを東北電に融通し、東北電は4月中旬の計画比160万キロワット増の1370万キロワットを確保する。

 ただ、猛暑時のピーク需要には足りないため、政府は契約電力500キロワット以上の大口需要家に対し、7月1日から電気事業法に基づく制限令を発動。ピーク電力の15%カットを義務化する。期間は東電管内が9月22日まで、東北電が9月9日までで、いずれも平日の午前9時から午後8時。違反には100万円以下の罰金を科す。

 企業は操業時間や夏休みの分散で節電を進め、政府は複数の事業所が共同で節電する枠組みも検討する。ある事業所が節電できない場合でも、別の事業所が大幅に減らせば目標を達成できる。

 家庭には家電の節電策などを例示。商店など中小企業には、個別に自主計画の作成や公表を求める。需要の急伸時にテレビや携帯電話で警報を鳴らす「需給逼迫(ひっぱく)警報(仮称)」も実施する。

 中部電力の浜岡原発の停止で、電力融通を断念した分は、関西電力など西日本からの融通で対応する。ただ、電力消費全体の6割を占める小口需要家と家庭に節電の強制はできないため、効果が得られるかは不透明だ。【野原大輔、和田憲二】

◇電力需給対策のポイント

・需要抑制の目標値は大口需要家、小口需要家、家庭とも均一に前年比15%

・東京電力の8月末の供給力は5620万キロワット、東北電力は1230万キロワット。東北電に対し東電から最大140万キロワットを融通

・計画停電は原則実施しない。万が一実施せざるを得ない場合は1回の停電時間を短縮し、1日複数回の停電は回避

・需給が逼迫(ひっぱく)し、計画停電の恐れが高まった場合に警報を出して緊急の節電要請し、実施の可能性を周知する

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