遠山森林鉄道の思い出を振り返る「語る会」の参加者たち |
遠山郷と呼ばれる飯田市南信濃、上村両地区を走っていた「遠山森林鉄道」の復活に向け機運を高めようと、地元の有志らが11日、かつての思い出などを振り返る「遠山森林鉄道を語る会」を同市南信濃木沢地区にある旧木沢小学校で開いた。同鉄道に思いを寄せる東京在住の2人を囲み、集まった約50人が復活への期待を語り合った。
思い出を語ったのは、「遠山森林鉄道と山で働いた人々の記録」(2004年刊)の編集に携わった塾講師の片岡俊夫さん(56)=東京都狛江市=と、鉄道模型が趣味の会社員、須々木裕太さん(54)=同渋谷区。
大学1年の時に初めて遠山郷を訪れた片岡さんは「山奥の谷底を鉄道が走っているのが驚きだった」。須々木さんは「美しい自然の中を走り、山の生活・文化に密着していたところが魅力」と語った。
ことし1月には、南信濃木沢の活性化推進協議会のメンバーが中心となり、鉄道を一部でも復活させようと「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」を発足させた。今秋までには同学校近くに長さ約50メートルの線路を復元させる計画だ。須々木さんは当時の生活を伝える風景の復元や、林業体験などの催しも提案した。
鉄道の会の会長、前沢憲道さん(63)は「鉄道を生かして地域を元気にしていきたい」と話していた。