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10.12.18

橋本代表、柱谷GMインタビュー

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2010シーズンのリーグ戦が12月4日に終了。16日からは選手全員がピッチに立ち、天皇杯に向けたトレーニングが再開された。
天皇杯を控えていることもあり、クラブからは、監督交代をはじめとした今シーズンの総括や新チームの方針などについては、シーズン終了後に発表するとのコメントが出されている。その一方で、既に新監督や補強選手の情報などが発表され、新チームの体制づくりも進められており、クラブの考え方を確認したいとの声が多くのファン・サポーターから寄せられている。これらについて、あらためて橋本代表、柱谷GMにオフィシャルメディアが聞いた。


Q: リーグ戦10位という結果に終わりましたが?
柱谷GM(以下GM): リーグ戦を終えて、レッズが構築しようとするサッカースタイルは浸透してきたと思います。ボールポゼッションが高く、自分たちがイニシアチブを握るゲームが多くなってきました。若い選手を積極的に起用してチームを底上げすることもできたと思います。
ただし、成績という点では皆さまの期待に応えられず、責任を重く感じています。その中でも、ホームゲームで十分に勝てなかったこと、優勝争いに加われなかったことは非常に悔しく、猛省しています。
具体的な反省としては、ボールポゼッションは高いものの、多くのゴールを奪えなかったこと、終了間際での失点が6点もあったこと、CKやFKからの得点が少ないこと、守備的なチームに対する攻略方法や、コンディションや気候の変化に対応できるゲームプランを立てられなかったことなどがあります。このようなことをしっかり分析し、来年に向けて改善していかなければなりません。そして最も大事なことは、若い選手も含め、ピッチに立った選手が、絶対に勝利するという強い気持ちを最後まで持ち続けることです。来シーズンは、勝者のメンタリティを選手に植え付け、「勝つ」という成果をきっちり出して、強い覚悟で「リーグ奪還」を目指します。

Q: フィンケ監督については?
GM: クラブは2009シーズンから、これまでの個の力に頼るサッカーから、組織的なサッカーへ変貌するために、新たな監督の選定を行ないました。その中で、現代的な組織的サッカーを志向し、ドイツで実績のあったフィンケ監督を招聘しました。フィンケ監督就任時には「人もボールも動くフットボールを目指そう」と話し、実際にフィンケ監督のトレーニングによってチームは大きく変化し、成長しました。そして、この2年間でそれぞれの選手にも、その戦術が着実に身についてきたと思います。そういった意味では一つの役割をしっかり果たしてもらったと思っています。
一方、「強くて魅力あるサッカー」における、「強くて」という観点では、この2年間で残念ながら結果が出せませんでした。クラブは、魅力あるサッカーと共に、「勝つ」ことの両方を求めていきます。どちらか一方だけがよければいいということはありません。
そして、我々にはまだ天皇杯が残っています。そこで結果を出せるように監督、チームをしっかりサポートしていきたいです。
橋本代表(以下代表): 監督との契約に関しては、昨年のこの時期にも今年と同じように考えた上でフィンケ監督にお願いしました。昨年はシーズン途中も含めて非常に厳しい結果でしたが、チームの変革という難しいミッションは一朝一夕には出来ないとの判断から、継続して浸透を図るべきと決断しました。今年も試合の結果だけではなく、新しいスタイルの浸透度合いやGMも述べている課題(反省点)に着目して判断しました。課題については、来シーズンにどの程度上乗せできるのかという視点でも検討しました。その結果、来シーズンは新体制でさらなるステップアップを図り、次のステージに臨む決断をしました。

Q: クラブとしても「チームマネジメント改革」に対する問題点や課題はなかったのか?
代表: レッズは2008シーズン終了後に「クラブが主体的にクラブの哲学、方針、目標を定め、それに基づいた役割や目標に合意した指揮官を選任し、長期的にレッズらしいサッカーを作り上げる」という「レッズスタイル構築」に着手しました。強化責任者を定め、その権限のもと指揮官の役割を明確化する。そして、チームが最大の成果を発揮できるよう、クラブが全面的にサポートし、クラブとチームの一体感を生み出していく循環をつくることは大切なことだと考えています。
チームマネジメントについては、2年間にわたって修正をし続けたものの、課題が残っていると考えています。昨年のスタート時に、強化責任者と監督の役割が不明確で、目標も明確でなかったという点で、決めるべきところ、共有するべきところがあいまいになっていた面があります。この反省を踏まえ、2010シーズンに入る際、監督はGMが差配する等の役割を明確化し、ACL出場権獲得という目標を共有するという修正を行いました。GMと監督のコミュニケーションの量も含め、改善はしたものの、2年前に不明瞭なままスタートさせた影響もあり、完璧な認識の共有というところまでには至らず、多少のずれが残ってしまった中で、その部分が外部に発信されたり、無用な誤解を生むということもあったと考えています。特にメディア対応の部分では、初期にクラブから監督に対して適切なアドバイスが不足していたため、最後まで修復することができなかった感があり、この点は大きな反省点です。

Q: 来シーズンはチームマネジメントを進歩させないといけない?
代表: 目に見える形で進化させないといけないと考えています。監督に就任するペトロヴィッチ氏とは既に大枠では共有していますが、今後、浦和やレッズの歴史・文化の共有や、レッズサポーター、レッズワンダーランドをはじめ地域でのさまざまな活動について理解してもらう作業を行なうことで合意しています。


Q: 今シーズン最後の闘いとなる天皇杯準々決勝を12/25に控えていますが、一方で、来シーズンに向けてのチーム編成も進んでいるようですが、まずペトロヴィッチ氏については?
GM: まず、リーグ戦は終わりましたが、チームは、天皇杯に向けて準備しており、是非元日の国立競技場で勇姿をお見せしたいです。その上で来シーズンの話をしたいと思います。ペトロヴィッチ氏は勝利への執念を持つ熱い男で、レッズの血が流れている、このようなことばかりがクローズアップされているようですが、ペトロヴィッチ氏はヨーロッパの中でも非常に難しいオランダの指導者ライセンスを取得しています。そして、数々の名将のもとでの指導実績があります。何より、レッズの目指すべきサッカーについて、同じ哲学を持った監督であること、そして勝者のメンタリティを持った監督であることがクラブにとって重要で、それがペトロヴィッチ氏だったということです。
監督はレッズOBである必要はありませんが、レッズを理解することが求められます。ペトロヴィッチ氏は幸いレッズのプレーヤーだったわけですから、レッズとともに歩むという姿勢は既に備わっている人材です。レッズらしいサッカーを求め続けるレッズスタイル構築はまだ2年です。次のステージでも、成果の上積みや課題の修正を繰り返しながら、チームを発展させていきます。
なお、ペトロヴィッチ氏を選任したのは「パートナー企業からの指示があったため」との報道もあったようですが、そのような事実はありません。

Q: フィンケ監督のサッカーは継続されるのですか?
GM: 先般マッチデープログラムでも橋本代表も述べていますが、チームづくりは監督だけではなく、クラブとして進めていくべきことです。すでに選手に浸透しているサッカーのスタイルがありますし、アカデミーセンターをさらに充実させ、トップチームとの連係を強めていくことで、長期的にレッズスタイルを構築させる体制をつくります。サポーターの方々からも「来年もフィンケで頼むよ」と言われますが、クラブとしてその意見はフィンケ監督個人ということではなく、「チームづくりの姿勢は貫いてほしい」ということだと理解しています。その思いにはしっかり応えていくつもりです。

Q: 補強については?
GM: 補強ポイントの一つは、中盤の前目のポジションで、点が取れ、セットプレーでもチャンスメークできる選手として、マルシオ・リシャルデス選手を獲得しました。もう一つは、センターバックのポジションです。ここには長身で人に強く、フィードもできる選手の獲得を目指し、新潟から永田充選手の加入が決定しました。スピラノビッチとは完全移籍で契約を更新し、ここに堤、野田が復帰することになります。現所属選手では林が完全移籍で、永田拓也が期限付き移籍でそれぞれ草津へ行きます、サヌはケルンへ復帰します。そのほか、細貝を除く全選手と来シーズンの契約を更新でき、来シーズンの戦力は整いつつあります。細貝については、早くから2011シーズン以降の契約更新を打診し、話し合いをしてきましたが、本人の海外志向が強く、契約更新は非常に難しい状況にあります。
なお、補強については、移籍可能期間終了まで、まだまだ動いていきたいと思います。

Q: リーグ戦において入場者数が減少しましたが要因はどのように考えますか?
代表: まず、今シーズンも多くの方々に引き続きサポートしていただきましたことに深く感謝しています。GMも言うように、来シーズンは必ずリーグ奪還するという強い覚悟で臨んでいきたいと思っています。
さて、入場者の減少についてですが、要因は一つではなくさまざまなことが考えられます。チーム作りの面では、チームの成長を感じ取ることができたものの、結果としての成績、チームへの期待感や感動を共有する、という部分で物足りなさがあったことは否めません。併せて、クラブに対する信頼の低下や、話題性の低下もあったと考えられます。また、スタジアムが安全ではないと社会に誤解されてしまったことも原因の一つであるかもしれません。アジアを制覇しチーム力がピークに達した後という背景や、経済環境の悪化も影響していると思われますが、主要因ではないと思っています。試合以外の部分でも、シーズンチケット継続保有の方へのサービス向上をはじめとしたシーズンチケットホルダーに対する取り組み、スタジアムでのホスピタリティの向上、南広場での楽しむ場の拡大など、快適さや楽しさをさらに追求していく必要もあります。浦和レッズとしての原点を確認しつつ、考えられる要因を一つずつ分析し解決していかなければいけないと考えています。

Q: 入場者数の減少などにより、最近クラブ経営について心配される声もありますが?
代表: 現在2010年度の最中であるため具体的なことを言える段階ではありませんが、経営環境が厳しいのは事実です。その中でチーム運営費は最優先事項として扱ってきましたが、この考えは今後も継続するつもりです。
レッズの収支構造は、一つの企業に頼るものではなく、ファン・サポーターの皆さまからいただく収入で支えられているのが特徴です。ここ数年の平均では、収入の50%以上が入場料とグッズとなっています。これらの収入は、入場料であれば、チケット販売手数料のほか試合運営や警備のための費用、グッズであれば制作費、販売スタッフの費用や出店費用など、経費が非常にかかります。その結果、収益率という面ではどうしても低くなってしまいます。
レッズは、責任企業からの損失補填がゼロという、実質的に自立した「市民クラブ」です。また、地域や社会での活動を通じて、地域スポーツ文化を育てていくという役割を担っています。経営体力に見合った水準であるべきですが、ホームタウン活動や社会貢献活動に予算を配分し実施していくことは、トップチームの強化と並ぶクラブ運営の両輪と考えています。なお、企業の広告宣伝費が減少傾向にある中で、これらの活動に対する企業からの理解、支援も年々増える傾向にあります。

Q: ホーム最終戦での社長挨拶がなぜなかったのかという意見もありますが?
代表: 最終戦の当日、オフィシャルサイトにリーグ戦終了のお礼を掲載しましたが、スタジアムで私自身が挨拶をしなかったことについてのご意見をいただいています。レッズの場合、従来からホーム最終戦の後は勝っても負けても、チームとファン・サポーターの皆さまがお互いに労をねぎらい、感謝の気持ちを伝え合う場と位置づけクラブ代表の挨拶を行なってきませんでした。2008年、2009年はホーム最終戦がシーズンの終了となったこともあり、代表挨拶があったのも事実ですが、今年はチームとファン・サポーター皆さまの絆を大切にするという、これまでの考え方を尊重しようという判断で、フィンケ監督退任のスピーチやポンテの感謝セレモニーを行ないました。クラブとして、レッズの文化を大切にしようという想いでしたが、最後に挨拶をすることがむしろ自然だと考えているファン・サポーターの方々の声も真摯に受け止めております。

Q: ファン・サポーターの関心に対してもっと情報発信を増やすべきでは?
代表: クラブとしての発信は増えているもののまだまだ不十分で、誤解や不安を招いている可能性はあります。チームの情報発信を昨年から豊富にしたことと比べてもアンバランスなのかもしれません。フィンケ監督の考え方をファン・サポーターの皆さまに伝えるために監督発言を可能な限り伝えてきましたが、逆にクラブが監督に責任を押し付けているかのような誤解を招いたり、不安を呼ぶようなことになっているとすればクラブとして反省する必要があります。多くの方々のサポートと、共に闘うことによってしか浦和レッズは存在しないと考えると、今後も、なるべく多くの情報を共有していくことが前提であり、クラブの情報提供の機会を増やすことを検討していきます。

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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