東京電力が福島第一原子力発電所周辺で行っている海水の調査結果です。原発の取水口付近で6日に採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はなく、最も高い値を示した3号機の取水口付近では、前の日を上回り、基準の67倍となっています。
福島第一原発周辺では、東京電力が、原発の取水口付近のほか、沿岸や沖合で海水を採取し、含まれる放射性物質の濃度を調べています。6日に採取した海水で最も高い値を示したのは、3号機の取水口付近で、放射性のセシウム134が1cc当たり4ベクレル検出されました。これは国の基準の67倍に当たる濃度で、前の日の13倍から上昇しました。この場所は、5月に高濃度の汚染水が流れ込み、直後に国の基準の2万倍に当たる放射性物質が検出されましたが、その後、値は減少傾向が続いています。また、4月に基準の750万倍のヨウ素131が検出された2号機の取水口付近の濃度は、6日は1.1倍と、前の日に続いて、調査を始めて以来最も低くなりました。一方、福島第一原発の沿岸と沖合15か所で行った海水の調査では、原発から北に10キロ離れた場所から放射性セシウムが検出されましたが、国の基準以下でした。さらに、プルトニウムの分析結果も発表され、先月13日と14日に沿岸と沖合の4か所で採取した海水からは検出されなかったということです。東京電力は「放射性物質の濃度はほぼ横ばいか減少傾向で大きな変動はない。引き続き分析を行っていく」としています。