誠 Weekly Access Top10(2011年6月4日〜6月10日):今週末のピーク時電力使用率はギリギリ!?
福島第一原子力発電所の事故で逼迫する東北電力・東京電力管内での電力需給。夏本番に入り、エアコンなどをつけるところも増えるとあって、そろそろ需要が供給を超える状況が現れそうだ。
Business Media 誠Weekly Access Top10
先々週に続き、先週最も読まれた記事も「『私も、被ばくした』――蓮池透が語る、原発労働の実態(前編)」だった。
ほかにも原発関連の記事が多くランクインしているが、本格的な夏を迎える前に、その原発が止まっていることによる電力供給不足が懸念されている。東日本の広い範囲で真夏日を観測した6月22日の電力使用量はピークの16時台で4129万キロワットと、震災後最大を記録したという。
政府の節電要請に従い、アイティメディアでもエアコンの設定温度を28度にするといった試みを行っているのだが、さすがにこのところの暑さで「仕事にならねえ」という声があったため、急きょサーキュレーターを導入することとなった。
早速、筆者も回転する羽に「ワレワレハ、ウチュウジンダ」などと話しかけて遊んでいたのだが、けげんな顔をして隣を通り過ぎて行った同僚からの評価が下がっていないかが心配である。ただでさえ仕事の共有スケジューラーに「メルルのアトリエ発売日」と入れていたのが発覚して評価が下がっているのに、これ以上悪くするわけにはいかない。
東京電力管内の6月22日のピーク時電力使用量は震災後最大とはいえ、電力使用率を見ると87%とまだ余裕がある。ただ、この時期にこれだけの数値を記録してしまうと今後どうなるんだろうと思い、先日Yahoo! JAPANが開始した電気予報をチェックしてみた。
電気予報は東京電力発表のグラフや日本気象協会の気象データをもとに、Yahoo! JAPANが独自の集計で算出した今後の電力使用率の推測値。時間帯別の推測電力使用率や週間の推定ピーク電力使用時間帯などを示しているのだが、見ていくと衝撃の数字が目に入った。
6月25日(土)のピーク時電力使用率が97%、6月26日(日)のピーク時電力使用率が96%と予想されているのだ。企業などに目標を与えて電力使用量を絞ろうとしている平日より、土日の方が逼迫(ひっぱく)しているのである。東京電力に理由を聞くと、土日は火力発電所などが発電量を絞っているため、供給量が少なくなっていることが原因となっているようだ。
東京電力のWebサイトを見ると、「需要が供給力を上回る緊急時には、揚水式発電を一時的な供給力として追加できる場合がある」とは書いてあるのだが、それほど多くはカバーできないだろう。いつ計画停電となってもいいよう、自宅や勤め先などがどの停電グループに入っているか、今一度確認しておきたいところだ。
と、ここまで書いたところで改めて電気予報を見ると、6月25日(土)のピーク時電力使用率が79%、6月26日(日)のピーク時電力使用率が81%と大きく下がっている。なかなか人騒がせな予報だが、日本気象協会の気象データを見ると、土日の関東地方の天気を雨や曇りと予想しているので、これを反映したのかもしれない。
とはいえ、天気予報が外れることもよくあるもの。もし晴れたら、土日は19時のピーク時間を迎える前に、電力使用率を注視しておきたいところである。
関連記事
- 福島第一原発からのツイートを読む方法を考えてみた
ここ最近、福島第一原発で復旧に当たっている“らしき”人々のツイートが静かに話題となっている。そんな現場からのツイートを、アカウントを知らなくても読めるようにするにはどうすればいいのか。そのヒントは「位置検索」にあると、筆者は考えた。 - 「私も、被ばくした」――蓮池透が語る、原発労働の実態(前編)
北朝鮮による拉致問題で、メディアの前にたびたび登場した蓮池透さん。しかし彼が東京電力で、しかも福島第1原発で働いていたことを知っている人は少ないだろう。今回の大惨事を、蓮池さんはどのように見ているのか。前後編でお送りする。 - 日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか
原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000〜1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。 - 誠 Weekly Access Top10バックナンバー
Copyright© 2011 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.