普天間移設3案:下地幹郎幹事長に聞く

普天間移設問題で持論を語る下地幹郎氏=14日、那覇市・パシフィックホテル沖縄

[画像を拡大]

2011年5月16日 09時30分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐって、国民新党の下地幹郎幹事長の発言が波紋を広げている。大型連休中の訪米で米上院軍事委員会のレビン委員長に嘉手納統合案、国頭村安波への移設、キャンプ・シュワブ陸上案の3案を提案したことを13日の講演会で表明。普天間の固定化を避け移設問題を解決する「現実的な案」と強調するが、仲井真弘多知事や県議会が「県外・国外」で一致する中での県内移設案には批判の声も出ている。下地氏に発言の真意や背景を聞いた。(政経部・吉田央)

 ―仲井真弘多知事、県議会などが普天間の「県外・国外」移設で一致する中、県内移設を提案することに批判が起きている。

 「いま辺野古移設を言う人も、県外・国外を言う人も、すぐに実現できない案という意味で一緒だと思っている。3案は確実に普天間の危険性除去を実現できる現実的な案として提案しており、イデオロギーでは基地問題の解決はできない」

 ―下地氏は過去(2009年2月)に嘉手納統合案の「断念」を表明した。いま再び嘉手納統合を主張することに疑問を感じる有権者もいるのでは。

 「当時は自民党が『在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定』という条約を米政府と結んだ。海兵隊のグアム移転に伴い必要な資金を払い、辺野古移設がパッケージという内容で、私は『勝負あった』と判断した。しかし政権が交代し、時の首相が移設先を見直すと表明したことで、協定にこだわらず言えるチャンスが出てきたということだ」

 ―嘉手納統合案は嘉手納駐留のF15戦闘機を減らすことが前提だが、現在の騒音防止協定も守られておらず、地元は「負担軽減の約束をしても米軍は守らないのでは」と懸念している。

 「騒音防止協定が守られないのは、そこに戦闘機がいるからだ。だからこそ、私は『嘉手納の戦闘機2個中隊のうち、1個中隊24機を移転しましょう』『出て行った後であれば、普天間のヘリコプターを入れていい』と言っている。これほど合理的な話はなく、これを否定するのは感情論だ」

 ―レビン氏の嘉手納統合案提言で、米政府への影響はあるか。

 「今のオバマ政権は米議会の話を断れる状況にない。民主党のレビン氏と共和党のマケイン氏が軍事委員会で組むというのは、日本で言えば小沢一郎氏と亀井静香氏が組んでいるようなもの。米政府から辺野古の代替案に関するメッセージが必ず出てくる」

 ―国頭村安波移設を住民から提案された。実現可能性をどうみるか。

 「175人の地主が同意すれば、候補地は私有地と字有地が95%近いと聞いており、基地内基地と同じように同意が早くなるかもしれないと期待している。土地改良で造成も済んでおり、山林など自然を切り開くわけでもない」

« 最新のニュースを読む

写真と動画でみるニュース [一覧する]