経済・IT【すごいぞ!ニッポンのキーテク】太陽光で航行 ハイブリッド「エコシップ」進水へ+(2/3ページ)(2011.5.15 12:00

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【すごいぞ!ニッポンのキーテク】
太陽光で航行 ハイブリッド「エコシップ」進水へ

2011.5.15 12:00 (2/3ページ)
川崎重工の給電システムを搭載する船と同型の自動車運搬船。こうした動きが広がれば、温暖化ガスの削減に大きな効果を上げそうだ

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川崎重工の給電システムを搭載する船と同型の自動車運搬船。こうした動きが広がれば、温暖化ガスの削減に大きな効果を上げそうだ

 給電システムの開発で最も苦労した点は、電気をためる「蓄電池」と、電気を作る「ディーゼル発電機」という本来は用途の違う2つの機器を結び付け、安定制御するための技術だ。川崎重工の技術チームはさまざまなインバーター(電力変換装置)や遮断器を使って試行錯誤を繰り返し、約1年半かけて安定的な電源系統を確立。昨年9月から今年1月まで陸上で実証実験を行い、船の動力源として通用することを証明した。

 6月には日本郵船が所有する6200台積みの自動車運搬船にシステムを搭載し、実際に外海を航海する予定。成功すれば、外航船、内航船の区別なく「将来的に大きな引き合いが期待できそう」(小林本部長)。

 川崎重工はこのほか、エンジン燃料となる油類に細かい水の粒子を混ぜ、燃料の燃焼温度を低下させる「水エマルジョン燃料」による航海実験を世界で初めて実施。同燃料は燃焼に伴うNOx(窒素酸化物)排出量を15~20%程度の削減できるといい、ハイブリッド給電と合わせ、「動力面と燃料面の双方から環境負荷低減に取り組む」(小林本部長)。

 エコシップをめぐっては、昨年から今年にかけ、三菱重工業やIHI、三井造船などの造船大手がおおむね技術開発を完了、受注競争の戦端が開かれつつあり、川崎重工の新技術も大きな一石を投じそうだ。

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