宇部興産は6日、スマートフォン(高機能携帯電話)や電気自動車に使うリチウムイオン電池の電解液で米化学大手のダウ・ケミカルと合弁事業に乗り出すと発表した。9月にも折半出資の会社を設立し、2013年ごろまでに米欧中の3拠点に工場を建設する。宇部興産は同材料で世界シェア2割強を占める最大手。世界的な販売網などに強みを持つダウと組み、グローバル展開を加速する。
電解液はリチウムイオン電池の主要部材の一つ。電池の内部を浸し、イオンが行き来して充放電するための役割を果たす。両社は合弁会社をダウの本社がある米ミシガン州に設立し、折半出資することで合意した。
米欧中に年産5000~1万トンの製造・販売子会社の工場を順次設ける見通し。宇部興産が電解液の生産技術を供与し、ダウが工場の建設支援や原料供給などを手掛ける。製品は各地域に拠点を持つ日系や地場の電池メーカーに販売する。
宇部興産の電解液は電池の長寿命化や発火防止など安全性に強みを持つ。12年初めには堺工場(堺市)の年産能力を1万トンに倍増する。スマートフォンなどの民生用が主力だが、従来は日系の電池メーカーへの販売が中心だった。
ただ13~15年にかけては車載用の需要が急拡大する見通し。業界推計によると、車載用のリチウムイオン電池の市場規模は16年に2兆円を超え、10年実績の50倍に拡大する見通しだ。
宇部興産は電解液市場も15年には10年実績の2~3倍の4万~6万トンに拡大すると試算。こうした需要を取り込むには世界中に拠点を持ち、技術力も高いダウとの提携が効果的と判断した。提携効果で世界シェアを現在の2割強から3~4割まで拡大したい考えだ。
一方、ダウも正極材や負極材、セパレーター(絶縁材)を含めたリチウムイオン電池の主要4部材への参入を目指している。ただ電解液では関連特許や生産ノウハウを豊富に持つ宇部興産との連携が、今後の事業展開には有効とみたもようだ。
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