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外車不正輸出:大使館向けで偽装 最終到着地を指示

 北朝鮮への高級外車不正輸出事件で、工作機関の「朝鮮サンミョン」が在日朝鮮人の安成基容疑者(71)=外為法違反容疑で逮捕=に車を発注する際、最終到着地を平壌にある「インド大使館」などとするよう指示していたことが警視庁公安部への取材でわかった。公安部は、輸出の経由地の韓国で現地当局に怪しまれないよう画策したとみて全容解明を進めている。

 安容疑者は08年、2回にわたって高級外車3台を神戸港から韓国経由で北朝鮮に不正輸出したとして逮捕された。朝鮮サンミョンが発注し、東京都内の貿易会社「合同ホールディングス」が輸出。安容疑者は同社の実質経営責任者で、北朝鮮の工作員とみられる。

 公安部によると、安容疑者は日本からの輸出時、ソウルの運送会社を荷受人として税関に申告。しかし車は韓国で通過貨物として改めて手続きがなされ、北朝鮮に運ばれた。

 公安部は安容疑者の自宅の捜索で、車の最終到着地を平壌にあるインド大使館と中東国の大使館とする計画を記した文書を押収。安容疑者は調べに「名義上の仕向け先を大使館とするように指示された」と供述しているという。韓国の税関には実際に大使館向けとして申告されたとみられる。

 安容疑者宅の捜索では、北朝鮮旅券や「サンミョン」などと刻印された判子や新事業の計画書なども見つかり、計画書には北朝鮮の農水産物の流通ルートを日本や欧米に構築する計画が記されていた。また、レアメタル(希少金属)を調達するため南アフリカに渡航したことも判明した。

 朝鮮サンミョンは朝鮮労働党の秘密資金を扱う「39号室」の傘下で、対南(韓国)工作の主要部署とされる旧「対外連絡部」(現「225局」)の影響下にあるとみられている。地域ごとに五つのセクションに分かれ、安容疑者は日本を担当する「朝鮮サンミョン2」に所属していたという。

毎日新聞 2011年7月7日 15時00分

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