太陽光発電装置の開発・販売を手掛けるＺＵＣ（ザック、千葉市、山田忠社長）は太陽光発電パネルのレンタル・リース事業を始めた。月額１万～４万円程度で貸し出す。標準的な住宅の場合、太陽光発電システムの価格は200万円前後とされる。ザックは割安な価格でパネルを提供し、初期投資を抑えたい中小企業や電力が不足する夏場だけ利用したい個人などの需要を取り込む。

　太陽光パネルは畳１畳程度の大きさ。約230ワット時を発電するパネルを貸し出し、屋根などに設置する。エアコンや照明など最低限の電化製品の電力を補える２キロワット時を基点にした場合、レンタル料は月額１万3300円程度、リースは契約期間５年で月額２万5000円程度になる見通し。

　一般家庭にとっては売電によるメリットが大きい。東京電力によると、一般家庭が１日に使う電力は約９キロワット時。２キロワット時の太陽光発電パネルを設置した場合、１日平均で８キロワット時を発電できる。真夏に電力需給が逼迫した場合でも、節電を意識せず、家庭内で自由にエアコンを使える。電力が余った場合、１キロワット時あたり40～42円で電力会社に売ることもできる。日照時間は平均値を勘案して発電量を計算しているという。

　今回はレンタルやリースの形式をとることで海の家やビアガーデン、工事現場など短期間の営業をする店舗にも対応できるようにする。山田忠社長は「太陽光パネルは購入すると初期投資が膨らんでしまう。レンタルで手軽感を持ってもらおうと考えた」と説明する。

　リース事業は千葉興業銀行子会社の千葉総合リース（千葉市）と連携。千葉総合リースがパネルを買い取り、毎月の料金を借り手から回収する方針だ。ザックは2005年７月に設立。太陽光発電システムや発光ダイオード（ＬＥＤ）商品の開発、販売を手掛ける。11年３月期の売上高は約10億円。