東日本大震災
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【社会】九電やらせメール指示 県民装い「再開支持」2011年7月7日 07時13分 九州電力は六日、玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に理解を求めて政府が主催し、六月二十六日にネットなどで中継した県民向け「説明番組」宛てに一般市民を装って運転再開を支持する意見メールを寄せるよう、九電社員が子会社社員らに指示していたことを明らかにした。公平性が担保されるべき説明会で、当事者である九電が偏った意見形成を意図していたことに批判が起こるのは必至だ。 九電によると六月二十二日、同社原子力発電本部の課長級男性社員が、九電の三事業所と子会社四社の計七人の担当者に依頼メールを送信。原発再開を容認する立場から意見や質問を番組宛てに発信するよう求めた。説明会は同二十六日に佐賀市のスタジオで撮影され、ケーブルテレビとネットで生中継。政府の担当者らが説明役となり、政府が選んだ県民七人が出席した。 番組では五通のメールが紹介され、うち二通は「(節電で)熱中症や医療が心配」などと運転再開に肯定的だったが、関係者かは不明。九電によると、依頼を受けた何人が番組にメールしたかも分かっていないという。 真部利応(まなべとしお)社長は六日、福岡市の本店で記者会見し「投稿をお願いしたのは間違いない。国の説明会の信頼を損ね申し訳ない」と謝罪。経済産業省資源エネルギー庁の細野哲弘長官は同日、真部社長を厳重注意し、再発防止策の報告を求めた。九電は七日にも、指示した社員から事情を聴き、社内調査を進める。真部社長は依頼理由について「原子力の必要性について事業者の立場から意見を出すべきだと思い、(住民の)理解を広めたかったのではないか」と説明した。 「私は(依頼を)指示していない。関与していない」と釈明する一方「(九電の)会社名で依頼しているなら私に責任がある」と責任を認めた。自身の進退については明言を避けた。九電によるメール要請をめぐっては、菅直人首相が六日午後の衆院予算委員会で「やらせ的なことがあったとすれば大変けしからんことだ」と批判。海江田万里経産相は「しかるべき判断、処置をする」と述べ、事実関係の調査などに乗り出す意向を示していた。 今月四日の鹿児島県議会特別委員会でも「やらせメール」の存在について質疑があり、九電側は全面否定していた。 (東京新聞) PR情報
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