玄海原発「運転再開撤回を」――佐賀県庁前でハンスト
オルタナ 7月5日(火)18時10分配信
■「福島から何も学んでいない」
ハンスト2日目の5日、県庁のある佐賀市は最高気温が30度を記録。市民ら約10名は県庁前の広場にテントを構え、交代でハンストに臨む。
主婦で「玄海原発プルサーマル裁判の会」の石丸初美代表は「原発の再稼働は命を左右する問題。簡単に判断しないで」と訴える。
東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故を受けて、九州電力は玄海原発の各号機に電源車を配備し、原子炉冷却用の仮設ポンプを設置するなどの応急対策を4月に完了した。しかしこの対策では、事故時に原子炉を冷温停止状態にすることができない。
しかも、津波時の浸水などに対する抜本的な対策の完了には3年程度の時間が必要とされる。にもかかわらず、海江田万里経済産業相は「2、3号機は安全」との姿勢を崩していない。
「東電原発事故の原因が何一つ究明されず、放射性物質の拡散が今後、健康にどんな影響を及ぼすのかもわからない。そこを踏まえずに安全宣言した海江田大臣は間違っている。福島で今起きていることに何も学んでいない」と石丸代表は指摘する。
■やむにやまれずハンストに
経産省が6月26日に佐賀市内で実施した玄海原発に関する住民説明会では、国側が選んだ市民7名しか参加が許されず、批判を呼んだ。石丸氏の下にも参加要請が来たが「(原発を推進する)国の主催。公平な立場で説明会を行うべき」と断った。
参加者は仕事や家事などの合間を縫いながらのハンストだ。「本当ならこんなことはやりたくない。ここまでしなければ地元の声は届かないのか、という思いだ」と石丸代表は話した。(オルタナ編集部=斉藤円華)
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最終更新:7月5日(火)18時10分
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