中国政府は、先月、渤海にある中国最大の海上油田で油漏れ事故が起き、800平方キロメートル以上に及ぶ深刻な海洋汚染があったと、発生から1か月たった5日になって発表し、情報公開の遅れに国内メディアから批判が出ています。
事故があったのは、中国海洋石油などが渤海で開発している国内最大の海上油田です。中国政府で海洋の環境保全を管轄する国家海洋局は5日、記者会見し、先月4日以降、周辺の海域で油が浮いているのが相次いで見つかり、調査したところ2つの油田から油漏れが起きていたと発表しました。国家海洋局では、油井をコンクリートで塞ぎ、油を吸着するシートで流出した油を回収するなどの措置をとったところ、先月21日までに油の流出はほぼ収まったとしていますが、汚染の範囲は840平方キロメートルにわたり、水質への影響も中国政府の5段階の基準で最も深刻だったとしています。この油田を巡っては、先月下旬ごろ、インターネット上で「重大な油漏れ事故が起きている」という書き込みがあったのをきっかけに、一部の国内メディアが報道を始めましたが、中国政府は5日まで詳細を明らかにしていませんでした。事故の発生から1か月がたってから公式発表が行われたことについて、国内メディアからは「報道が出るまで政府は何も明らかにしなかった」などと情報公開の遅れに対する批判が出ています。